ドライブレコーダー(パイオニアND-DVR1)をつけてみた利用レビュー

ドライブレコーダーって、あっても無くても困らない機器。でも、”もしも”事故ってしまった時に公正な判断ができること、そして自身の安全運転への戒め、また出かけた時の振り返りなどなど役立つ場面は多々あるので、前々からドライブレコーダーを導入したいと考えていた。そのため、どの機種が良いのか等いろいろ吟味していて、カメラと本体が分離されていて画質も良さそうなパイオニアのND-DVR1が欲しいと思ったもの、なかなか販売されず・・・・。結局、現在のクルマの納車タイミングにも間に合わず、やっと2月末に販売されることになり、購入してみることに。

今回は、パイオニアのND-DVR1について書いてみます。

■アイサイト搭載車種は何かと制約事項が多い。
現在のクルマはスバル インプレッサ。アイサイトの安全性と渋滞時の追従走行に対応したクルーズコントロール等に惹かれて買った訳だが、これらを実現される仕組みとして2つのカメラを用いている。ただこのカメラ他社の赤外線タイプ(お安いモノ)と違ってフロントガラス面にピッタリとつけられておらず、むしろ室内のミラーに近い位置に設置さされている。故にカメラの視野にケーブルや機器が入らないようにする必要があるのだが、流行のカメラ本体一体型だとサイズ次第ではアイサイトカメラの視野内に入ってしまい取り付け不可になってしまう・・・・。モノ選びが重要になる。

また、ガラス面にピッタリついていないということはアイサイトのカメラレンズを触ることも出来てしまうので、万が一ここ触ると、再調整作業等が必要になりお金が掛かってしまう・・・。
(カメラの技術は日立さんなんですが、調整は日立系のエンジニアが行う必要があるらしく、その調整費が数万円コース)
故に、いつもならばオートバックス等で商品購入、取り付け依頼するんだが、ディーラーにお願いすることに・・・(オートバックス等はそのリスクを恐れ、設置取付はしてくれないのです。)

いちよ、スバルとしては純正ドライブレコーダー(SAA3060300)が取付込みで2万円で販売されている。ただこの商品は慶洋エンジニアリングでAN-R011相当品で市販品なら5000円程度な品物。200万画素で、アイサイトに干渉しないように対策はしているようだが、サンプル画像を見る限りは・・・・。しかも1ファイルの録画時間は1分。エンジンオンした時には必ず大音量で「撮影中・・・」とガイダンスが出るなど、なんとも言えない仕様・・・。やっぱり社外品ということになるけど、サイズに制約があり、さらに(すべてのディーラーではやってくれる訳ではないけど)ディーラーでお願いが必要と更なる制約事項が・・・。

そんなこんなで、辿り着いたのがND-DVR1。分離式かつカメラも小さいので邪魔にならないからミラーの裏に隠せているし、パイオニアならディーラーオプション等でも取引あるので、ディーラーさん経由で発注してあげれば多少なりともディーラーにも利益が入るので。。

■本体の設置位置は意外と気をつかう。場所選ぶので注意!!
 さて、そろそろ製品についての感想等を。カメラの設置位置については前述ですが、本体の設置位置についてもちゃんと考える必要があります。と言うのも、画質や記録時間ほか諸々の変更時は、本体についているボタンで操作する必要がありますし、その設定状況の確認はナビに映像を映してみる必要があります。そのため本体の設置位置決めは、ナビの画面を見ながらの本体操作が辛くない体勢で出来る場所にしておく必要があります注意。(一度設定したら関係ない?と思っている方ほど注意)

ちなみに、私は本体設置場所はメーター下・ハンドルの左側(左足の上)設置しました。パイオニアのホームページではシフト周辺に置いてあるイメージがありますが、、運転席と助手席間をウォークスルー出来るタイプなら良いですが、少なくともインプレッサだとあの位置だと椅子を前後する際に邪魔。かつ運転時に左足・ももにあたるので面倒かも。

■ナビ接続前提の商品。ナビと同時装着じゃないと設置コストが高くつく。
前述しちゃったけど、画質や記録時間ほか諸々の変更時、設定状況の確認はナビに映像を映す必要があります。残念ながら映像見ないままでは設定状況は判らない(出来たと思っても違う設定していたというオチも)ので、結局ナビとドライブレコーダーをAUX接続等させる必要があります。ただここで面倒なことは、ナビ側のAUX端子類は裏側に設置されていることが多いので、使う使わないに関わらず納車段階でAUX端子を外に出して置くように依頼してた方以外は、一度ナビを取り外すような作業が必要になる。そのため、作業時間も増えるでしょうし、作業代金も・・・・。ちなみにオートバックス等ではドライブレコーダー単体取り付けで、電源裏取りでも5000円程度ですが、ナビも・・・となれば料金追加されると思います。私はディーラーで商品購入かつ取り付け依頼でしたが作業代は1.2万円も。せいぜい1万円かな?と思っていたけど予想より高かった。

なので、これから取り付ける方はこの点注意が必要です。
またドライブレコーダー側についている映像音声出力ケーダル(ピンジャック式 オス)は4線のステレオピンジャックと特殊。2014年のサイバーナビなどでは問題なくそのまま使えますが、他社ナビとの組み合わせ時は要注意。

■画質は綺麗。
いろいろな環境を試し走行した訳ではないので、評価は早いかもしれませんが結構綺麗に録画できているかと思います。

参考までに下記どうぞ。

■不満点はたくさんある。人によっては、商品性に問題があると感じる不満点も。
既に2つほど注意点を挙げちゃいましたが、1週間使って見て、いろいろ不満点は出てきました。それを列挙していきましょう。

一つ目は、SDカードに保存できる録画時間。
 microSDカードに映像を記録しますが使用できるカード容量は32GBまで。64GBは試していませんがネット情報ではダメだった模様。さて32GBを用いた場合、最高画質(1920*1080)でも約5時間撮影できるとなっていますが、実際は2.5時間と半分になります。理由はカード容量のうち半分を常時録画用、もう半分を衝撃時などの記録用と容量を割り振りされてしまうから。最大容量である32GBを買って挿さしても、常時録画できるのは16GBだけ。それ以降は上書きされていってしまう。ちなみに標準出荷設定での保存画質は最高画質(1920*1080)になっていますので、2.5時間走ったら最初の映像はどんどん消されていきます。(標準画質に落とせば倍の5時間となりますが、その場合は前述である設定変更が必要になるため、ナビへの映像出力等の対応が必要になる)

 ※添付されている8GBだと30-40分しか・・・(汗)

一方で衝撃映像記録用はすっからかんのまま。容量比率を変更できれば良いのですが残念ながら可変することができないので、結局カード容量の半分程度しか使わないなんとも無駄な作り。正直、一定量確保しておく考え方はまったく否定しません。ただ衝撃用を半分まで確保する必要はないと思う(常時用がカード容量の70-80%程度占める形でも問題ないかと思う)。とは言えユーザーによって考え方も違うけどこの容量を可変する設定は追加して欲しいですね。

二つ目は、ドライブレコーダー本来の役割を全うできる仕様でないこと。
回りくどい言い方かもしれませんが、そもそもドライブレコーダーって、万が一の時に公正な判断ができるように記録しておこうという所以から出来た製品かと思います。人間自体は勝手な思い込みしている時もあるし、本当のことは知ってるけど自分が不利になるから言わない。逆のこと主張したりも。事故発生時にほかに利害関係がない傍観者がいればまだしも、居ない時なんて揉めることになるわけです。下手すりゃ相手方が亡くなってしまっていれば死人に口なしじゃないですが、一方的に都合良い状況で片付けられてしまう場合も・・・。だからこそドライブレコーダーには本来あるべき商品価値をしっかり遵守して欲しいという思いがあります。

さて長くなりましたが本題。このドライブレコーダーの仕様として常時電源に接続し電源確保していますが、仮に常時電源が喪失するような状況になった場合、その時撮影していた映像ファイルは正しく保存されず不完全な状態となってしまい、実際見ることができません。(ファイル破損状態)

もちろん常時電源が失われる事例といえば、フロントが大破するぐらいの大事故、オフセット衝突(車幅の半分が衝突でバッテリーある側がその衝突だったとき)。交差点での衝突(進行方向から見て左側から突っ込また)等が想像されますので、それよりも軽い事故ならば問題はないかもしれません。中には、なんだそれぐらいなら・・・と思う方もいるかと思います。ただ前述したドライブレコーダーの役割ってなんでしたっけ?と、そんな大破するような事故だと、自分の命もどうなっているか・・・・と判らない可能性があるなか、自分が死んだ、自分が意識不明で代弁できないうちに、(本当はこちらに非はないのに)都合よい言葉でこちらが過失扱いで処理されていたら・・・と思うと、なんとも解せないとは思います。(家族持ちならば残された家族への補償だって変わってきますよね)

本来ならばキャパシタ、非常用に限定したバッテリーなど搭載し電源喪失後10-15秒程度でも稼動し続けられるようしてあれば、その間にファイル保存処理をしておくことも可能ですが、残念ながらそれらの仕組みがない仕様となっています。

■ND-DVR1は、お楽しみ目的なら買い!安全性重視なら購入見合わせるべき。
 画質も綺麗ですし、サイズもコンパクトなんで良いのですが、万が一の場面で映像が見られないリスクを抱えていることはいささか商品性としては致命的な気がしています。もう少しフォローするとリスクに対して二重化、三重化、四重化・・・とどんなに対策を施しても発揮できない事例もあります。100%出来るように求めている訳でもありません。またしかるべきコストが発生するならもっと製品価格に転嫁することもしかるべきという考えです。ただ今回パイオニアの希望小売価格2万円という価格帯ではほかの製品でも、万が一を想定し対処している製品群が多々ありますので価格に不相応な仕様になっている部分は否めない。もう少し、ダメになる事例はゼロにはできないど、ダメになるリスクを下げる努力はして欲しかったな・・・・と。

ここからは想像の域ですが、パイオニアとしてはサイバーナビでスカウターユニットを製品化していますから、その派生品感覚で作っているように思えます。故に本来の役割とは何ぞや!まで考慮できていないのかもしれませんね。さすがにもう取り付けてしまった後だからもはや返品もできないし、ナビと接続等まどろっこしい仕様なので簡単にも外せないので、返品して欲しいなぁという気持ちはあるけど、やむ終えず使い続けるしかない・・・・と思っていますが、今この仕様を知っていたら、私自身は買わなかったと思います。(次点候補だったDRY-WiFiV1c、DRY-WiFiV5cを買ったと思う。西日本エリアのLED信号問題はあるけど。)

もしドライブレコーダー購入検討していて、単に車載動画とかお楽しみ感覚での利用ならばオススメしますが、安全性観点を重視するならば、別商品を買った方が良いかと思います。