携帯業界は消耗戦 ドコモも家族間無料

家族向けに通話料にしたホワイト家族24をソフトバンクが出した直後こそ
は他社が追随することはなかったが、ソフトバンクの快進撃もあってか
auが追随。その後、イーモバイル、ドコモも追随。PHSでもWillcomが提供
しており、実質的にはPHS、ケータイ全社が自社同士のみという制約はある
ものの、家族間は通話料無料となる。
ユーザーにとっては、その部分の通話料が無料になるし、利用ケースによっては
一つ下の料金プランでも十分収まる等、お得になるため歓迎。ソフトバンクにとって
は、他社より優位に立つための駒がなくなり、ちょっと残念。他社にとっては、経緯は
どうあれ結果として追随したことで収入は低下、だんだん苦しい戦いになってきた。
もしかしたら、ユーザーにとってもは目先安くなるわけだから得と思うかもしれないが
実は長い目で見ると損するかもしれない。いまでこそ利益があるから良いが、今後も
値下げが続き利益が減れば、新たな投資もできなくなる。
それは、今後始まる3.9Gと呼ばれるLTEや4Gの構築等にも影響がくれば、その後
受けられた恩恵が得られなくなるかもしれない。
もちろん、今のキャリアの利益ベースで見れば、大手企業以上の収益を得ていたり
するぐらいなので、まだまだ下がる余地はあると思うし、ネットの思想で考えれば
キャリアは土管屋に徹して、その上のサービスはネット企業にまかせるでいけば
重複するものはサービスを統廃合等すればその分コストも減らしたりと、まぁメス
できるところは多そう。でも、一度価格競争に突入すると、そのスピードを止める
ことは何か事件事故など相当インパクトあることが発生しない限り難しくなる。
そのため、どこかで限界に到達したり、それを超えてしまうことも考えられる。
企業である限り、将来についてもいろいろ考え投資することになるだろうが
その際、過去はこれだけ稼げたという幻想や今後もこれぐらい得られるであろうという
皮算用的な試算で物事進めていると、急激な市場環境に即応することが
厳しくなることも。
次世代への費用捻出等最低限な部分は保持しつつ、ユーザーに最大限還元すると
それぞれが両立された良い方向に持っていって欲しいと思う。
————————————————–
携帯業界は消耗戦 ドコモも家族間無料
2月28日8時2分配信 産経新聞
 携帯電話業界に料金競争の嵐が吹き荒れている。昨年初から値下げを仕掛けてきたソフトバンクは、契約者獲得でトップ。対抗してKDDIとNTTドコモも、ソフトバンクと同様に家族間通話24時間無料の割引策を打ち出した。利用者にとっては歓迎すべき動きだが、携帯各社の収益力は弱まり、端末やサービスの品質低下を招く恐れもある。大手3社のこの1年の株価は3割近く下落しており、過熱する消耗戦に投資家も厳しい目を向けている。
 NTTドコモは27日、「ファミリー割引」などを契約すれば家族間の通話料金を4月1日から24時間無料にすると発表した。KDDI(au)が先週発表した料金改定とほぼ同じ内容で、これによりKDDIは年間250億円、ドコモは800億円の減収を見込む。
 家族間通話の無料化はPHSのウィルコム、ソフトバンクが先行。今年3月に音声サービスを始めるイー・モバイルも自社端末同士の通話無料を打ち出しており、携帯全社で家族間無料が実現することになる。
 ドコモとKDDIは当初、ソフトバンクの攻勢に対して「単純な料金競争をやるつもりはない」(小野寺正KDDI社長)と距離を置いていた。しかし、ソフトバンクに利用者が流れ始めると、昨年6月にドコモ、同7月にはKDDIも基本使用料の大幅割引を発表。この結果、半期分でドコモが約400億円、KDDIも約200億円の減収を余儀なくされた。今回の家族間通話無料化も、それと同等の減収圧力になる。
 こうした消耗戦のダメージが懸念され、携帯3社の株価は低迷している。この1年間でドコモとKDDIの株価は約28%下落、ソフトバンクも25%下落した。KDDIが家族間通話無料化を発表した後の今月22日には同社株が10・1%下落し、東証1部で値下がり率トップとなった。
 野村証券は26日にドコモとKDDIの投資判断を引き下げた。ただ、今回のドコモの対抗策で、大きな価格競争は一段落したとの見方を示す。リーマン・ブラザーズ証券アナリストの津坂徹郎氏も、「株価はすでに下がっており、ドコモの値下げはそれほど影響がないのではないか」とみて、今局面では織り込み済みと指摘する。
 ただ、携帯電話が日用品となった今、利用者はサービス拡充や高機能化よりも値下げに敏感になっており、料金競争の行方は予断を許さない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080228-00000068-san-ind
————————————————–