高校生の悪質マナー原因で客26人乗れず

いつも乗れているにも関わらず、乗れない人が大量続出したことでニュースと
なったこの事件。乗車マナーの問題が強調されておりますが、地方の過疎化
ゆえの切実な問題が浮き彫りになったように感じます。
JR側が主張する「学生のマナーが原因」はもっともなことで、この日に限って
乗客が増えた訳でもなく、また今まで乗れていたにも関わらず乗れなかった
訳ですから、しっかり詰めてくれなかったという話になるのも頷けます。
また学校側が主張する「車両はキツキツで、ムリ。車両を増やべき」についても
一理あり、しっかり詰めないと乗れないということは、突発的に乗客が増えてし
まったら対処できないぐらいの混雑率な訳ですから、車両増強してという要望
も頷ける訳です。
普通に考えれば、車内がゆったり出来るメリットも踏まえて車両増やせばという
結論になりそうですが、ここで問題になるのが利用率の問題。
留萌線は、留萌市と深川市を繋ぐ路線ですが、両市の人口は足して5万人程度。
北海道は車社会ですから車の利用率も高い上、高齢化もありますので定期的に
移動する人の数は、当然減ってくることになります。一方、この路線を運営する
JRとしては、営利企業なので儲かれば、どんどんサービス拡充しますし、採算が
合わなければ、縮小、終了したいが本音です。しかし、市民のための公共サービス
を提供する宿命ですが、早々簡単にサービスを終了させることは出来ないため
企業努力で可能な限り善処することになり、その手法が運転本数や運行車両の調整
無人駅によるワンマン運転などに繋がってくるため、留萌線における1両編成運行や
本数が1時間に1本しかないのは、それなりの理由があると言うわけです。
なお、この事件が起きたあとに双方立ち会いで行われた検証を報じたニュースを見ま
したが、問題のあった日より乗車人数が多かったにも拘わらず、乗れてしまったようです。
結果としては、JR側の主張が正しいという見解となってしまった感があり、それこそ
要望だけではJR側が応じてくれそうにないように思えてきました。
しかし、それでは解決しませんので、本当に改善させるとしたら地域ぐるみで鉄道利用率
を高める施策を行い、路線の利用率をアップさせる実績を作った上で、JR側へ再度提案
していく必要があるかと思います。また、JR側も多少大きい荷物を荷台に置けるように改造
するなど、現状の範囲内でなにか対策が出来ないか考えるほど、双方が解決向けて対応
していくことが必要かと思います。
是非、双方納得できる回答が出ることを期待したいものです。
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JR留萌線秩父別(ちっぷべつ)駅で9日朝、ワンマン運転の普通列車(1両編成)
に乗客26人が乗り込めず、JR北海道がタクシー7台で代行輸送した。同駅で
運転士が通学客に奧に詰めるようアナウンスしたが、移動しなかったという。
普段約120人が乗れるところ、この日は約90人しか乗れなかったといい、
JR北海道では地元高校に乗車マナーの改善指導を要請した。一方の高校側
は、10日に同時刻の電車に教員が乗り込み、マナー指導を兼ねた実態調査を行う。
 列車は午前7時40分ごろ、約60人を乗せて、秩父別駅に到着した。同駅で
待っていた乗客は56人。JR北海道によると、普段は約120人を乗せて走って
いるといい、普段通りなら全員乗車できる計算だった。しかし、この日はホーム
にいた56人中約30人が乗った時点でドア付近が込み合い、それ以上乗車で
きなくなったという。
 車両は定員64人の1両編成のワンマン列車で、乗降は車両前部のドアだけ
で行う。運転士は車両後部に余裕があったため、車内放送で「奥の方に詰め
てください」と呼び掛けたが、乗客が詰めようとせず、3回の呼び掛けで乗り込
めた乗客は数人程度だったという。出発予定時刻を4分以上過ぎた時点で、
運転士はホームの乗客に「代行のタクシーを呼びます。駅でお待ち下さい」と
アナウンスし、出発した。
 残された乗客は7台のタクシーに分乗し、終点の深川駅まで代行輸送された。
終点深川駅に到着した列車は、車両後部に「若干の余裕」があったといい、
タクシー代合計1万9550円を支払ったJR北海道旭川支社では「主な原因
は奥に詰めようとしなかった入り口付近の通学客のマナーの悪さにある」とし
て、深川駅近くの深川西高校、深川東高校にマナー向上の指導を要請した。
同路線では通学時間帯の午前7時台の列車はこの列車1本で、通学客が
集中する状況が続いており、乗車マナーの悪さへの苦情も多いという。
 しかし、両校の聞き取り調査では、生徒は「普段より込んでいて乗れな
かった」と話しており、両校では今日10日、マナー指導を兼ねて、教員4人
が実際に列車に乗って調査する。深川東高校関係者は「マナー指導は徹
底する。実地調査した上で、乗客数に対し車両が狭すぎるなら、1両増や
していただくなどの要請も検討したい」としている。
[2007年5月10日12時27分 紙面から]
ソース元 : http://hokkaido.nikkansports.com/news/p-hn-tp6-20070510-196595.html
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