P2PやYoutubeなどの動画コンテンツなどリッチコンテンツが流行る一方で、ISP各社はそのトラフィックの処理に頭を悩ませている。少し前から、コンテンツを配信する会社に対してバックボーン構築にかかる費用の負担をさせるべきと言った「ただ乗り論」が出るなど、ISP各社の苦しい事情が垣間見ることができたが、そもそも国として通信制限について明確な基準がないため、ぷららネットワークのように独自に対応したものの、逆に踏み込みすぎた対応はNGとされてしまうなど、微妙な状況だったのだがここに来て総務省が通信制限について指針をまとめる方向で動き始めることになった。
この動きで明確な基準が出来れば、ISP各社にとっては心おきなく制限を課すことができるのだが、ユーザー側から見れば今まで使えていたサービスに制約が加わったり、下手すればアレもコレもと制限されてしまうのではないかと危惧してしまう。特に今後出てくるだろうサービスは、シンプルなサービスがある一方、より多くの通信量を必要とするリッチコンテンツの二極化が進むだろうから、最悪インターネットの楽しみを損なう恐れすら生じてしまう。ニュースでは、ISP側の乱用も防ぐようにすると書かれているが、骨抜きにされてしまい悪い方向にならないよう、しっかり審議していただきたい。
———————–
ネット混雑時・通信制限へ指針、総務省検討・年明けにも適用
総務省は年内をメドに高速インターネットの混雑を緩和するための指針を作る。大量の映像をやりとりする利用者が増えた結果、一般家庭での通信速度が遅くなる「ネット渋滞」の増加に対応。通信事業者などが回線の利用を制限する際の基準を設ける。ネット渋滞を解消すると同時に、通信・接続事業者による利用制限の乱用も防ぐ。新指針は電気通信事業法に基づく。NTT、ネット検索の米グーグル、インターネット接続事業者などが参加する「ネットワークの中立性に関する懇談会」で6月をめどに方向性を打ち出す。詳細を詰めたうえで年明けから新指針に基づく通信制限が始まる見通し。
ソース元 : http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=AS3S0200X%2020052007
———————–