エアアジアジャパン運航終了。最後の運航便(10/26 JW8528)に搭乗してきた

日本の航空運賃は高すぎる・・・。
なんて話から機運が高まり、国内線にLCCが飛んだのは2012年7月。

 ジェットスタージャパン(カンタス・JAL出資、成田拠点)
 Peach Aviation(ANAと香港系投資会社出資 関西拠点)
 エアアジアジャパン(エアアジア・ANA出資 成田拠点)

の3社が相次いで就航した訳ですが、まだ1年半も経っていないのですが
早速その1社であるエアアジアジャパンが運航終了することに。

終了理由はANAとエアアジアとの方針違い。
エアアジアが出資した分をANAが買取。ANA単独出資となりバニラエアに社名変更。
12月からリゾートエリア中心に運航開始となる。

ただ方針違いがすべてではなくて、成田拠点故にジェットスターや(準格安系というべきか)
スカイマークと競合もあったし、都心からの移動時間そして空港の運用時間と言った場所の
制約もあって自由に出来なかった部分も大きい。そしてこれは今回のエアアジアとの決別
理由でもある「方針違い」にも絡むんだろうけど、両者間の協議が難航していたのか就航
以降も利用し難い運航ダイヤが続いていたし、なによりエアアジアは他社と比べても搭乗
条件が厳しく使い勝手も悪かった。

また、それを素直に放映しただけなんだけど就航直後に放映された「ガイヤの夜明け」
でエアアジアに密着取材があった時にそれをストレートに報道。
あれ見ていた人には、価格重視な方を除けば相当ネガティブインパクトがあったと思う。
(と言うか、私ですらアレ見てエアアジアの利用は極力避けたし・・・)

と敗因的な話はさておき、航空会社が終了する事例はエアトランセなどを一部に限られ
なかなか立ち会う機会は少ない。やはり最終日の最終便で乗り納めはしなくてはと思い
乗ってくることにした。(ただエアアジア自体は日本に就航しているので、機体が見られ
なくなる訳ではありませんが・・・)

それでは搭乗レポートを。

WAJ8528_gate2

18:00
出発1時間前にあたる18時にゲートに到着。
ゲート前はゲート1、3から仙台、神戸などの出発便が控えていたし上階にあるゲート0からは
ジェットスタートも成田行きの出発もあって凄い混雑。
それらが順次捌けていくと今度はエアアジアのお客だけに。

18:50
定刻より約10分遅れて到着。もともと18:40に到着し、19:05出発と25分間折り返しと
いう無理なスケジュールなので、出発時間は遅延確定。これにあわせて搭乗開始時間が19:00に変更される。

またこれ以降、利用客がゲート周辺に集まりだし、写真撮影大会に。
関係者が一同揃い、最後の搭乗前案内が行われる。

19:05
搭乗開始。後方窓側の人→後方全席→前方窓側→全席と段階的にゲート通過。
ゲート通過時に粗品進呈。
 jw8528_present

 なおボーディングブリッジから機体を写真に収める方は多々。機長が手を振ってくれたりと
 ファンサービスが凄かった。(ただでさえ待機時間少ないし確認作業も多いのに、これを
 やってくれることは凄いことだと思う。賞賛。)

19:21 ※ゲートクローズ?
19:25頃ドアクローズ。クローズ時に客室責任者と地上係員との間に何かあったのかキャー
という黄色声援が聞こえる(おそらく地上側のメンバーからの声)

4名の客室乗務員がそれぞれのポジションに付いたのち、客室責任者による案内開始。
木村拓也のような髪型をした男性の方で、「(いつもの案内)・・・、(自己紹介として)木村拓也に
なりたかったらどんなによかった・・・と○○です」と自身の紹介で笑いを誘いつつ、残り3名(女性)
についても同様に趣味などを含めた紹介。最後に「気に入った客室乗務員がいましたら声を
おかけください。もし声をかけ難いお客様は、その乗務員が近づいたら呼び出しボタンを
押してくれると対応します」と案内。笑いが絶えなかったのだが、その後この紹介を
すべて英語で案内。搭乗客一同を驚かせた。

最後の緊急時のデモんストレーションを行ったのち、プッシュバック開始。
ゲート2から01Rへタキシング。離陸。

離陸後はいたって普通の対応だったし、私も寝てしまったので機長の案内は聞けず。

21:00頃
銚子側から一旦海上に出て着陸ルートに乗り、R/W 34Rに着陸。
着陸と同時に拍手が。
着陸後、駐機場までは客室責任者による案内が。まず先に英語で一通り案内した上で
日本語で案内。到着時の案内を一通り済ませた後、4人について話が触れられた。
彼らはこの仕事に就くに当たりマレーシアのエアアジアで3ヶ月間英語だけの研修を
受けてから業務に就かれ、うち1人(沖縄出身の女性乗務員さん)は就航日から。
エアアジアジャパンの社員としてはこれで終了。短命に終わってしまうことを寂しさ
を感じながら12月からバニラエアの社員として再び空を飛ぶことを明かす。
ここで終わったら湿っぽいお話になってしまうが、そこは終始笑いを取ることは忘れて
おらず続けて、「引き続きサービスを提供していくのでまた乗ってくれる方は呼び出し
ボタンを押して」と。
当然みなさん呼び出しボタンを連弾。(ほぼすべての席で押されたような・・・・。)

その状況を見て「これが日常(機内サービスのオーダー)だったら発狂しそうですが
皆さんのおかげで綺麗な光景を見ることができた」と締めくくられた。

※ちなみに、呼び出しボタンは機体が完全に停止するまで「ポーン」音が鳴り続け。
 また呼び出し位置を示すランプもあちこちほぼ全列で光っていた。
(これが彼の言う綺麗な光景)

21:06
スポット100Fに駐機。
前、後の2箇所にボーディングブリッジを設置。

21:10
前後2箇所から降機開始。
新経営陣によるバニラエアのパンフ配布がある。降りた方はそのままバスに
乗り込む人もいれば、機体前で写真撮影など。最後に機長・副操縦士、客室乗務員
全クルーが降りてきてくれて写真撮影。

JW8528_NRTSPOT3 
※機体前方。写真撮影に応じてくれる地上係員

JW8528_NRTSPOT4 
※ありがとうの幕 

JW8528_NRTSPOT1 
※出発時だけでなく到着後も機長もコックピットから手を振ってくれました

JW8528_NRTSPOT2 
※最後に全クルーが降りて写真撮影

最後に、搭乗時に残しているフライト情報。

WAJ8528 (A320 JA-04AJ)
CTS 19:25 Spot:2 R/W:01L
NRT 21:10 Spot:100F R/W:34R

エアアジアとの事業は失敗となってしまったものの、新生バニラで活躍されることを願うばかり。
そしてこういうラストフライトはなかなか良いなぁと思ってしまった、とりあえず次はジャンボか?
次も狙ってみよう。