先日、参入断念との報道がなされたアイピーモバイルだが本日記者会見でその報道を否定し、引き続き参入に向けた対応をすると発表した。
これにより、先日新聞各社が報道した内容は誤報となってしまう訳だが本来、会社にとって事実と反する報道がなされた場合は即座に報道に関して否定する旨のプレスリリースが出されるものだが、本日まで粘っていたところを見ると、彼ら自身は否定しているが実際は報道が正しく、むしろ直前まで参入断念回避すべく対応していたのではないかと思う。ただ、今回の発表で引き続き参入に向けて頑張っていくとのことだったが、正直合わせて発表された情報を見る限りアイピーモバイルが事業化するのは、ますます困難になったと思われる。
理由は、3つ。
1、現時点での資本金と資本準備金を合わせた総額は53億程度しかない。
今回、大株主が変わり資本増強したとしても、そのお金を入手してから基地局設備等の発注することになる。そのため、機材などの納入も当然時間がかかると思われる。(逆に、納品と支払いのサイクルに時間があることを利用するとか、別に資金確保できる見込みがあるなどで、仮に既に見込み発注していたのであれば、そもそもこんな報道にはならなかったばす、むしろ資本増強のプレスが打たれていたはず。)
2、現在までに基地局設置したのは、たった7局のみ。用地予約は200カ所あるが、23区提供するのに必要な500局の半分も満たしていない。
既に確保済みの200局はこれから工事するにしても、時間はかかると思われるがまだ確保しきれていない残り300局分は、地権者交渉などがある分さらに時間がかかる。最悪、山手線内のみエリア化する手もあるがイーモバイルの善戦状況を考えれば、契約者は伸びない
3、総務省からの参入時の条件として、免許取得後2年以内にスタートすることが義務づけられており、そのリミットは今年の10月頃となる
1と2を今年の10月までに解決させるのは、時間が足りなすぎる。苦し紛れで、山手線内やそれ以下だけでスタートしても、現対応等をみれば、その後の対応を後手後手になることが予想され、結果その後躓く可能性が濃厚
もちろん、これは一個人としての予想だが、ほとんど難しいと思う。せっかく手に入れた免許なので粘りたいのは判るが、その後立ちゆかなくなってしまい、あちこちに迷惑をかけるぐらいなら、潔さも必要なのではないかな?と思ったりする。
とりあえず、あと半年。結果が出るのを楽しみに待ちましょう。
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アイピーモバイルは4月10日に記者会見を行い、今後の事業方針
について説明。一部報道にあったような、携帯事業への新規参入
断念や周波数免許の返上などは行わないことを明らかにした。
会見に出席した代表取締役執行役員社長の杉村五男氏は「総務省より
認定された開設計画に基づき、事業化に向けて邁進する」と明言した。
ただ、過半数の株式を持ち、筆頭株主だったマルチメディア総研は全株式
を森トラストに譲渡する。今後は森トラストが筆頭株主として資金面、また
経営面でもアイピーモバイルを支援していくことになる。
サービス開始が遅れている最大の原因は「資金が足りなかったこと」だと
杉村氏。「サービスの形態によって金額には差異があるので具体的に
いくらとは言えないが、携帯電話事業を開始するためには膨大な資金が
必要になる」(杉村氏)
執行役員経理・管理部門担当の竹内一斉氏は、「関東圏でサービスを
展開するにはおよそ600億円ほどの資金が必要になる。その後地方など
にも展開していくことを踏まえると、さらにそれ以上の額が必要になると
認識している」と話した。筆頭株主が交代するのに合わせて、森トラスト
にはアイピーモバイルの事業計画を説明し、少なくとも数百億円、実際
には1000億円規模の資金が必要になることを提示したと竹内氏はいう。
その上で、筆頭株主になるという判断を下してもらったことから、「森トラスト
に増資に応じてもらう方向で調整している」(竹内氏)という。
サービス開始の時期について杉村氏は「早急に開始したい」と話したものの
基地局建設の進捗は「23区でのサービス開始に際しては、約500局程度の
基地局が必要だと想定しているが、現状では約200局分の用地の予約が
取れている。工事が完了しているのは7局」(杉村氏)と、決して順調とは
言えない状況だ。ただ「事業免許を受けてから2年以内にはサービスを
開始する必要がある、リミットは10月末ということは承知している」と杉村氏
は話し、次に会見を開く際にはサービス開始時期を明言することを約束した。
ソース元: http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0704/10/news078.html
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