90年代とか2000年近辺では少なかった深夜アニメも年々増加し一般化。2007年以降はスマホ普及でソシャゲも増え、一方ではゲーム機は衰退しつつあるけど、それらを合算すればアニメーションの登場頻度は増えていて、それに合わせてアニメーションキャラクターに声を当てる声優さんもたくさん登場。(それもそのはずで露出機会も増えたし、90年代の第三次声優ブーム。2000年後半の第四次声優ブーム等もあったので、それらを見て育った世代は将来なりたい職業として候補に加えていた子は当然多かったはず)
ただ、たくさん声優さんが産まれてきているんだけど、ではその子達が安定的に仕事できているか?と言えば、実際見ていて年々かなり厳しい状況が伺える。
個人的体感では2010年近辺は新人時代に1回ぐらい1クールアニメの主役起用とかあって、その後もメインキャスト等で安定的に仕事を掴む者と脱落していく者に分かれていったイメージだったけど、ここ1-2年に至っては、どんどん増殖していて主役起用はおろか、メインキャストに1-2回起用されたのち、残るか、脱落していくか・・・な感じ。いや、俯瞰してみるとそもそも抜擢されないケースも多い気がする。
冒頭でアニメーションキャラは増えていると語りましたから、なら人が多くても良いんじゃない?と思いますが、アニメーションキャラが増えるということはコンテンツ自身も増産されているということなんだけど、コンテンツを消費する人間は1日24時間という限られた時間しかない中で、睡眠や仕事や学校ほか他にやることもある中でコンテンツを消費となると、実際やれる時間は限定されるし、なにより人には趣味嗜好がある。だからアニメーションという領域を嗜好する人=コンテンツ消費者はさらに限定される。
一方で開発側だって消費者の目が肥え始めているから、いろいろ手間暇かけて開発している。それはイコール開発費増大にも繋がっていて、少しでも成功して投資分を回収しかつ利益も上げたい・・・。となれば、少しでも利用者が増える可能性があるならばと(作品の世界を壊さない範囲であれば)声優さんも人気がある子を選びたいとなるので、結果として数はたくさんあっても一部の子に仕事が集中する形になり、安定的にできる子とできない子の二極化がどんどん加速している感じがある。
長々と書いたけど、傍から見ていると業界としてもう十分な声優がいるにもかかわらず、どんどん増産していて、業界の人どんどん疲弊しているんじゃないの?という感じが垣間見れてしまう今日この頃な感じ。
で、声をあてるという声優としての仕事がそんな状況だから・・・・もあって最近はとうとうアーティストデビューをし始める方々がたくさん。
例えば・・・・
"声優”上田麗奈が、12/21発売のミニアルバム「RefRain」でアーティストとしてデビュー致します。
今後このTwitterにて楽曲や特典など、音楽活動に関する情報を発信していきたいと思います。
何卒、よろしくお願いいたします。https://t.co/P7EkgiZsBf— 上田麗奈 official (@ReinaUeda_Staff) 2016年9月23日
「山崎エリイ 星の宮殿」公開録音 第2部も終了致しました!!ありがとうございました!
デビューアルバム『全部、君のせいだ。』は11月16日発売!
よろしくお願い致します(*^_^*) pic.twitter.com/BL2i432iuH— 山崎エリイ Music Info (@eriii_musicinfo) 2016年9月22日
【伊藤美来】ソロデビューシングル「泡とベルベーヌ」(10/12発売)ジャケット写真公開!! また、Birthday & CD Debut Partyのライブ配信が決定しました!! https://t.co/xwVZxSo32O
— 日本コロムビア (@NipponColumbia) 2016年9月12日
【CD予約情報】麻倉ももさんのソロデビューが決定!『ソロデビューシングル(仮)』のご予約受付中!12/17公開のHoneyWorks劇場版第2弾『好きになるその瞬間を。 ~告白実行委員会~』挿入歌 です!ご予約お待ちしております!! pic.twitter.com/4Oi7JQvw2k
— アニメイト福岡天神 (@animatetenjin) 2016年9月16日
【告知解禁1】西明日香デビューシングル「Honey Face」10/19発売!タイプは初回特典生産盤・アニメイト限定盤・通常盤。リード曲のほかPump Up!、蟻地獄を収録。https://t.co/RPIHTzyYfU #西明日香 pic.twitter.com/N1MQiRFwNw
— 西明日香公式ツイッター (@nishiasuka_info) 2016年8月29日
【声優】沼倉愛美 デビューシングル『叫べ』予約開始 https://t.co/hC6p7Y5Ugk 11月2日発売!アニメ「魔法少女育成計画」OPテーマ!MV https://t.co/LyY7NAz3kc pic.twitter.com/PizASlnjOX
— AnimeVoice (@AnimeVoice) 2016年9月8日
声優・下地紫野、10月放送開始のTVアニメ『ステラのまほう』OPテーマでデビュー決定!!https://t.co/4O8nTY7KP9 pic.twitter.com/i7uZVfTleJ
— M-ON! Press (@mon_press) 2016年8月22日
#村川梨衣 デビューシングル発売記念イベントが
とらのあな秋葉原店Cで開催決定!!
『Sweet Sensation/Baby, My First Kiss』購入で抽選券お渡しhttps://t.co/SrRYegRpDZ pic.twitter.com/EFxd9MMtQg— とらのあな 大宮店 (@tora_oomiya) 2016年6月3日
【CD】今週の話題作のご紹介!渡部優衣さんのデビューアルバム『FUN FAN VOX』!こちら特典のブロマイドはまだつきます!更にコーナーにはご本人直筆サインも展示してありますのでチェックしてみて下さい! #渡部優衣 pic.twitter.com/ebWP5HGYmo
— ゲーマーズ名古屋店 (@gema_nagoya) 2016年6月10日
【CD情報】声優 久保ユリカさんが待望のソロデビュー!記念すべきデビューシングル『Lovely Lovely Strawberry』好評発売中みゃぉ!アニメイト特典は複製サイン&コメント入りクリアファイル! #久保ユリカ pic.twitter.com/0ZehddT7DY
— アニメイト大宮 (@animateoomiya) 2016年2月19日
明けて1月27日は相坂優歌さんデビューシングル「透明な夜空」発売日!本作や『アクティヴレイド』のことなど伺った、撮り下ろし写真+動画付きインタビューを公開中! https://t.co/sTons5c2do #activeraid pic.twitter.com/iYQDFSUEBq
— HMVアニメ! (@HMV_Anime) 2016年1月26日
ここに挙げた方々、2016年にデビューされる方々。
別に彼女らが業界として最初ならまだしもですが、そもそもアニメーションコンテンツが増えるということは声をあてる声優の仕事だけでなく主題歌やED曲なんていうのも必要ですから、何年も前から既にたくさんのアーティストがデビューしていらっしゃる訳です。既にそれなりのアーティストがいるにも関わらず、さらに投入していく訳ですから、今後はこちらまで加熱していくことになるのかと思うと、陰ながら応援している身としは「さすがにやり過ぎなんじゃないのかな?」と老婆心が出てしまいます。
ここまでたくさん投入されてくると、逆に気になるのが、コンテンツの消費者側の事情。そう今までアニメや声優イベント等に参加してきた消費者側の方々のこと。
間違いなく、これだけアーティストがデビューすれば、その分だけCDが販売され、かつリリースイベント等も行われることになる。
複数推しのガチな人だと、好きな方だからイベント行くぞとCDたくさん買って、しまいには遠征したり・・・なんてことを複数声優、アーティストでやっている訳ですが、さすがにここまで増えてくると追っかけできないケースが増えてくるような気がします。
先日、某転職サイトさんのアンケート結果で、それなりに年収が高い人は「アイドル」や「アニソン」なんかは聞かないという統計を発表しました。もともとアニメやアイドルは合算で25%程度と4分の1程度しか居ないわけですが、その少ない母数のうち年収別で見ると年収が上がるほど嗜好する人は減っていってます。(700万以上になると合算で10%程度)
高収入層は「アイドル」や「アニソン」を聴かない? 転職サイトが「音楽と年収」のアンケート結果を公開キャリコネニュース
なぜ年収が高い人の聴く率が低くなるかは語られていないが、700万クラスになると30-40代の率が高くなり、そのあたりは今の20代以下とは異なり大人になる過程で一度アニメ系から卒業させられるような状況(アニメを見ていることが変という風潮もあった)もあったし、その年代ならば結婚等もしているなどもあるからだと推察されるが、どちらにしても、たくさんアーティストデビューしても、消費者側の資金面に限界もあって推せる子の数は限られてしまうってこと。
と言うことは、各アーティストはどうにかして固定ファンをつけるためにいろいろ努力する必要が出てくるだろう。それがファンサービス等に注力するのか、音楽路線を変えてくるのか・・・など。(そういえば、陰ながら応援している田所あずささんは、今年ぐらいからロック路線に傾斜しつつありますが、プロデューサーやディレクター陣はこのあたりを意識していたのかしら・・・。)
おそらく、今後は今まで人気のあった子でも消費者が別の子に鞍替えしてしまい、沈んでいく可能性だってありえるし、そもそも出たものの不発に終わる子も出てくるだろうし、人気ある子は人気あるままで行けるかもしれない。もしくはみんな、それなりにファンもついたけど売り上げも分散してしまい、みんな辛い状況になるだけになるかもしれない。
いかんせん、声優さんやアーティストさんってここで敗れるといざ一般人としてまっとうな仕事に転用しようとしてもスキルが異なる分、難しい面も。だから出来るなら皆それなりに生活していかれるように、ある程度抑えるべきだと思ったりするんだけど・・・・。まぁこれも競争だし仕方ないか。
しかし、どこぞの通信業界とか、ソーシャルゲーム業界とか、その他業界とか、お客様からのお金の取り方に遠慮がなくなりましたよね。消費者から搾り取りすぎると疲弊して結果、業界衰退しちゃうかもね。と、業界の先々を不安に感じつつ、今後どう生存競争が繰り広げられるのか見届けたいと思います。(「生き残れ・・・」と生存本能ヴァルキュリアが頭の中を過ぎってしまうのは、やはりアイマスPとしての宿命でしょうか・・・)