シティーハンターは、今どきの若い子世代を除いて男の子であればだれでも知っている漫画。でも、作品自体は1985年から開始ともう35年以上経過しているので、リアタイ世代は現40-50代。ただアニメ版が再放送で何度か放映されていたから恐らく現30代も何等か見たことがあると思うし、ここ数年はフランスの実写版や劇場版アニメも公開していたのでアニメに関心ある10代後半から20代もそれなりに知っているのではないかと思う。ただどちらにしても知っているのは男性が基本。作品内容も女性を守るスナイパーながら、要所要所にエッチなネタもあり、決して女性に好まれるものとは思えないと思っていたのだが今年に入り、なんと宝塚歌劇団がシティーハンターをミュージカルにすると発表。宝塚歌劇団と言えば生徒さん皆女性で演技とか凄いし、何より観客も女性率高くで、なぜにシティーハンター??、コアファンは理解できるのだろうか?とかいろいろ驚きしかなかった。それでも宝塚がシティーハンターという、まさかの展開にこれは一度見に行かないと思い見に行ってくることにした。今回はその感想を綴りたいと思う
■ストーリー
具体的な物語に触れる前に、ミュージカルの方向感を説明すると、漫画の特定話(例えば初期の〇巻~〇巻あたり)にフォーカスしたような展開にはなっておらず、作品全体からキーとなりそうなものを掻い摘んで持ってきて再構成&オリジナル展開を付加したような感じになっている。そのため作品初期と作品末期に出てきたキャラクター(牧村さん、ミック)が普通に出てくるようになっている。それを踏まえてストーリーに触れようと思う
グジャマラ王国でクーデターが発生し唯一生き残った王女が、国外脱出して日本へ向かう場面から始まる。日本は、王女が幼き頃にかかわったことがある冴羽遼がおり、彼なら助けてくれるという思い従者と共に日本へ向かう。一方その頃の日本では、遼と牧村(香の兄さん)のペアで仕事を請け負っていたのだが早々に牧村が殺されてしまう。(王国話がいつ頃からは失念したが、牧村が出てたのは初期の話)
そして香が遼のペアとなって仕事を請け負い始めるが、このタイミングで警察(正しく冴子さん)を通じてグジャマラ王国の王女の護衛を依頼されるが、遼は王女が若いこと理由にやる気にならない。(このあたりは、成人美女以外眼中ない、いつもの遼)
一方で、牧村と組む以前のアメリカにいたころに遼とペアを組んでいたミックエンジェルは、王女に接近し遼のもとまで届けようと動き出す・・・・。
これ以上は細かくは書かないが、この後には遼が強くなった背景(グジャマラにて傭兵として育てられた)とか、王女を狙う犯罪組織との闘いとか、ミックが香にアプローチしてアメリカに連れて行こうとし、香は遼とミックどちらを選ぶか迷うとか・・・。冒頭書いた通り、漫画全話の中から「時」を無視して作品のキーとなるような場面やキャラクターを持ってきた感じになっている。そのため作品に忠実さを求めるような原理主義者にはちょっと向かない感じがするむストーリーである
ちなみに、公演時間は1時間半なのだが、この時間でよく押し込んできたなと思うほど中身が濃い感じになっている。
■恐るべし宝塚
初めに断りを入れておく。正直、私は宝塚歌劇団の作品は見たことがない。純粋にシテイーハンターが好きで宝塚でミュージカルすると聴いたらから見てみようと思っただけの人である。なので正直他の宝塚作品を知らないし、演者の方々の凄さもまるっきり判っていない。そんな人間が語るのは少しおこがましいが語らせて欲しい
見たときびっくりしたのがその再現度の高さである。そりゃ演者は女性なので、身体の大きさまで忠実にとはいかないけど、香さんや海坊主なんかは「まんまじゃん」と言いたくなるほどの再現率だし、遼だって服装や髪型の再現なんてあたりまえで、「言動」・「行動」までしっかり忠実に再現されていて、それだけですげぇーと思ったし、合間にあるダンスや歌唱あたりはザ・宝塚であり、終始くぎ付けに。
どの演者さんも凄かったんだけど、その中でも、ミックエンジェル役の朝美さんの動きが凄く良くて、実は一番記憶に残っていたりするほど。
正直、宝塚の凄さを思い知らされたと共に、宝塚の別作品も見てみたいと思ってしまったほど。一見の価値ありです。
ちなみに、宝塚での公演は9月中旬までですが、宝塚での千秋楽は有償で配信、そして劇場でのライブビューイング行われます。さらに10月からは東京に場所を移し約1か月の公演が。シティーハンター好きであれば是非一度見てもらいたい