自宅買い替えでの顛末

社会に出て間もない時期に、マンションを購入してから約10年。
いろいろな理由から買い替えを決断し、今年に入ってから新居購入活動、現居売却活動を行ってきたが、いろいろな顛末もあったものの今日無事すべてが終了。せっかくなのでこの顛末をいろいろ纏めてみようと思う。

■ 買い替えきっかけは、大規模修繕と買い手の視点が変わる築10年という区切り。

 はじめて購入したマンションは、山手線ターミナル駅から私鉄線の速達列車で15分程度揺られた駅の圏内にある3LDKな物件。この時期は消費がえらく冷え込んでいて、質が良いにもかかわらず価格が安くせざる得ない物件が多くて、そんな時期に買ったもの。この時の購入動機はそんな打算的ではなく別の理由もあったけどたまたまタイミングが良く,良い物件を手に入れることができた。会社への通勤時間もドアtoドア1時間程度だったので満足していたのだけど住み始めて2年も経たずに勤務地が変わってしまい通勤時間が1時間30分近くに。ただいろいろと便利な部分も多くて相殺出来ていたんだけど、築年数が5年、10年とだんだん経っていくにつれマンション内施設の不具合改修が目立ちはじめ大規模修繕を意識するようになったことや、私がいろいろ買い替えするために、よく使わなくなったものを買い取りショップに持ち込む癖がついているからか、今売ったらいくらなんだろう?当然築年数が浅いほうが高く売れるはずだが・・・・と一旦冷静に状況把握してみようと思いはじめたのがきっかけ。

■ 見えてきたこと・課題。

 どれも判っている人には無駄な話だけど、冷静に考え纏めてみたら以下が。
 
 ・物件価値は立地とかいろいろな変動要素はあるけど、価値の下落には一定の
  規則性がある。(新築購入直後は販売時のプレミアムが載っている分売却相場
  と乖離がある点、大規模修繕が入る10年程度までは買い手の意向もあって
  比較的大きな下落率なく売りやすい、25-30年目以降は価格が横ばいとか
  時期によって売りやすい・価値下落を最小限にできるタイミングがある)
 ・管理費・修繕積み立ては一生支払う必要がある。現在徴収額は一生同じではない
  また当然自分の住居内の施設改修費用は自分で用意が必要。
  (機械式駐車場が多いとか、どれだけ金食い虫な施設が多いかで変動するし
   いくら安全な資金計画を立てても計画は予想に過ぎない。)
 ・数十年後にくるかもしれない建て替えハードルは思いのほか高い現実。
  (年老いていく住人、入れ替わり入ってくる人の年収が低くなる現実などで
  費用負担が出来ない層が増えること。費用負担軽減策の有効策とも言われた
  さらに住戸を増やし売ることで費用を賄う手法は最近の物件では法令等で
  できないケースが多いこと)
 ・住宅ローン減税の節目(時期によって異なるけど10年が一区切り)
 ・良い物件で居続ける、資産価値を下げず、積み立て額の支出を抑えるのは
  理事会含めて熱心に取り組む人が多いかに左右される点
  (電力会社を東電から一括受電に切り替える話が出たときに痛感したことだけど
   管理会社の提案内容(目先の事だけ)を鵜呑みにしちゃい本筋が見えていない
   こととか、結果各住戸は見えない管理費・修繕費を追加負担させられたとか)
  
 などがあったり・・・・。
 ちょうど売りやすい時期なんだなというのが見えてきたし、持っていた物件が利便性も悪くなく、過去事例で売りに出されてもすぐ買い手が見つかるほど人気もあったこと、そして周囲で売り出しされているうちより古い築年数な物件価格がそこそこの値段でこれ以上は高く売れると予測できたことから、このタイミングで行動は起こしてみるべきと思ったことが最大要因。

■ 売り出し価格は、過去の販売実績次第

 売却に向けて仲介業者を選ぶ必要があり、自分はマンションデベロッパーに仲介を依頼。理由は仲介手数料が5%安くなるから。仲介手数料って一般的に物件価格の3%+6.3万と相場が決まっている。ただ新築物件でデベロッパーから直接購入、新築戸建てなどでユーザーから貰わず売主側からの仲介手数料だけで生業している業者を通せば安く出来るかもしれないが基本相場が適用されてしまう。もちろん値引き交渉もあるだろうけど、あの費用でチラシなど広告費用も賄っているから、あんまり無理強いもしにくい。しかしオフィシャルに告知しているなら話は別。故に選んだ部分も大きい。
 
 で、一旦査定という名目で来てもらい出してもらった金額は、あくまで過去販売価格を踏まえた推定価格(レンジ)。明確にこの物件はいくらなんて決まった相場はなく、過去同じマンションで同じような間取りの売買実績(値段、時期、階数など)がベース。故に、もしも過去に売り出した物件が値引き等で大きく値を下げちゃうとそれが参考価格になってしまう分不利になることもあるようだ。幸い過去実績等が良く相場も10年前の購入価格比較で90%以上な価格だったことから売り出しを決定。売り出し価格は端数分値引き交渉されることありきで、しかし相手が値引いたラッキーと満足感がそこそこ得られる金額をアドオンしておくことがオススメ。
 (最初から値引き分をアドオンしておくので、痛くもかゆくも無い)
 ※ 相場踏まえた売りたい価格+値引き対応の価格=売り出し価格。

■客任せになりやすい銀行からの借り入れ希望は買手仲介業者の対応を逐一確認!

 売り出して1-2週間でIT企業お勤めの30代なお客さん(SEっぽい)から内覧希望があり買い手本人とその両親の3人が訪問。翌日には買い付け申込みの連絡が。(その後、もう1回本人だけ内覧に来たのだが隣の部屋の騒音が問題ないかあちこち壁に耳あて、さらにテレビの音量最大限にして・・・といささかおかしな挙動をする人、契約時も何処か本当に契約する気あるのか不安を感じていた)
 
結局購入申込みもあったので決定したものの、買い手からの条件として新生銀行でローンを組みたいので引渡し期間を契約してから2ヶ月後という話があった。ちょうどこちらも次の引越し先決定もあったので結果応諾したのだが、この新生銀行は曲者で仲介業者からの代行受付はしないためすべて買い手が動く必要がある。また審査期間がムダに長いことで仲介業者にとってやりにくい銀行らしい。(新規よりも大手から借り換えをメインにしている節が・・・・)
念のため別銀行で仮審査を通して、能力があることを確認。最悪新生銀行が審査NGでも別銀行で借りることとローン条項を付けつつ2月下旬に契約。3月下旬になってそろそろ決済日をいつにするか決めていくためにも、売手・買手仲介業者経由で買い手さんに審査状況確認を依頼。最悪、新生銀行の審査が遅いようならば、別銀行で本審査も通してもらう方向で話を進めてもらっていたのだが、1週間後の4月上旬に話は急転。最悪ダメな場合の別銀行でローン否決になったのでローン条項盾に白紙にしたい・・・買い手が買い手仲介業者に連絡。
 
あれ?新生銀行の審査はどうなったの?審査落ちの話は聞いてないし別銀行に審査通しにいくことも聞いてないけど・・・?よく判らないから事情を伺おうと買い手仲介業者に確認取るが本人達も判っておらず買い手仲介業者から買い手に連絡してもらうものの体調悪いから無理。でも契約は白紙だからあとよろしく。と買い手仲介業者にすら説明もせず、しまいには消費者センター経由から内容証明発送するとの事前連絡まで来る始末。買い手仲介業者側すら寝耳に水だったらしく誰も把握できていないのと幸い相手が間抜けで返金期限等の記載も無いため、詳細説明無い限り対応応じられないと、こちらから内容証明送りつけたりと相手を揺さぶりつつ消費者センターの担当者からの報告や仲介業者に状況を整理させたところ・・・・。
 
<消費者センターからの書面報告、直接ヒアリング結果>
・買い手が3月初めにリストラ宣告。辞めたくないと言っているが仕事与えられず窓際族状態
・気がつけば欝状態に。3月下旬に買い手仲介業者からの進捗確認連絡後に病院に行き欝診断受ける。
・欝診断後に、仮審査合格していた別銀行に一人でローン申込みへ。
 欝と申込み書に記入。当然審査否決。
・白紙適用の連絡する。

 ツッコミどころ満載の流れ。時期的に不自然なので買い手仲介業者側の対応確認してみると・・・・

<買い手仲介業者>
 ・買い手仲介業者は新生銀行への代行受付できないため買い手に任していた。
 ・買い手が新生銀行に申込みした事実も把握していないし、新生銀行の審査結果は
  明らかにされていない。(実は既に合格していた可能性も)
 ・仮審査合格した銀行への取次ぎは買い手仲介業者が対応していて
  本審査申込みもその仲介業者経由だが、買い手が勝手に行ってしまった。
  もちろん自分で行けとも言っていない 
 ・本人が電話に出ない、居留守等して逃げに回っていて変わりに内覧に一緒に
  来た両親へ連絡したいが連絡先は聞いてないのでアプローチもできない。
 とまぁ、結局仲介業者がシッカリ手綱を取っていないことが明るみに・・・・。
 これでも仲介責任というのは無いらしい・・・・。
 ちょっと上手く行き過ぎなストーリーで、買い手仲介業者も結託している節も
 チラチラ・・・・。しょせんは町の不動産屋か。
 仮に嘘だったら違約金は取れるけど証明するのも面倒。
 また新生銀行の審査が通っていたらそこで対応とも言えなくないが、本当に欝なら
 酷な話にも。胡散臭さ炸裂だけど攻めにくい演出状態という部分もあり
 落としどころとして(演技すれば出来てしまうけど)医者からの診断書を提出する
 こと条件に白紙に認めることにして、決着させることに・・・。
 (結果としては書面は消費者センターに預けて、両仲介業者による目視確認のみ)
 ともあれ余計な時間を過ごしてしまった訳です。
 今振り返ると挙動も可笑しかったし、失礼だけど随分変な名前だったよなぁ・・。
 
■ 2度目も少しだけ不安なお客様
 
 気を取り直して再度販売活動開始。ただ1週間もしないうちに内覧希望があり、契約希望も。ただいきなり100万値引き希望も出されたのでちょっと驚いたが、1回目同様に規定の想定価格を切り出したら応諾してもらえたので一安心。このあたりのスムーズさは持っていた物件のポテンシャルに救われた感じ。
 
 ただ、このお客様も若干不安を感じる方で、買い手は息子さんなんだけど実は内覧に来たのは親御さんで、息子は1回も見ていない。さらに息子さんが契約者にも関わらず契約時にいらっしゃらず、親御さんが代理対応するなど親御さんだけ乗り気で、あとで息子で違うとか言い出してくるんじゃないかと不安を覚えるほど・・・ (さすがに決済、引渡しにはいらっしゃいました)
でも、1人目の問題起こした買い手さんと違って人が良さそうで、マンションのコミュニティ的にはその方が良かったなぁと思えた。やはり相性ってあるんですね。
(ぶっちゃけ1人目は、本当に買う気あるのか?という不安や、手放した後まで気をつかう必要ないけど、そのコミュニティーに所属していたものとして近隣に迷惑掛けそうだなってと後ろ髪引かれる部分もあったので)
ともあれ、売買完了し約6ヶ月の活動が無事終わり。
忙しい時に余計な対応を迫られたりとかシンドイことも多かったけど、貴重な経験もできたので差し引きプラス。グタグタ買いてしまったし、たくさんサイトがあって膨大な情報から見つけ出すのも大変だろうけど、これから売買する人にとって少しでも参考になればこれ幸い。