先日、ソニーから現行のBD/HDDレコーダ機をNexTV-F規格に対応させるとの発表が。
NexTV-Fは、家電メーカーなど数十社が協力し、外出先からの遠隔視聴を可能とするための技術を定めた仕様。これにより、レコーダーに録画された番組やリアルタイムに放映されている地デジやBSの番組を外出先から視聴することが可能になった。
今まで、自作PCにPT3など搭載して実現させる方法もあるが、市販品ではガラポンTVぐらい。一昨年ぐらいからDTCP-IP対応NASの登場で、外付けHDD接続に対応したレコーダーと併用すれば録画番組の遠隔視聴は可能になっていたが、1つの機器で実現させたモノそしてロケフリ同様リアルタイム視聴も可能にさせた点は、この仕様によるおかげでだったりする。
ということで、さっそく試してみるべく購入して見ることに。
■ネット接続に疎い人でもできる「かんたん設定」
購入さっそく設定したのだが、凄く簡単。
今回買ったBDZ-EW1100はダブルチューナー搭載の中堅モデルのため有線LANのみ搭載。
家庭のネットワークに有線LANを繋いだのち・・・・。
1、設定のホームサーバー設定で、サーバー機能と外出先視聴を共に「有効」に。
2、家庭のネットワークに繋がったスマートフォンでTV SideViewをインストし、起動。
3、接続機器登録でBDZ-EW1100を指定。その流れでチュートリアルに沿ってTV SideView プレーヤー プラグイン(有料)をインストール、あとは問題ないか視聴確認。
ぶっちゃけこの程度。この紐付けしたあとはスマートフォンを家庭ネットワークから切断させ3G環境にしたら、再びTV SideViewを起動。これで問題なく使えるはず。
ルーター越しの接続は、UPnP有効にするとか少なからずルーター側の設定を必要とするケースも多いけど、今回は特に設定は不要。実にあっけなく。ここまで簡単に出来ていればITスキル低い人でも使えると思う。
■使い勝手は?
一先ず、試したのは2つ。1つは録画番組の視聴時の挙動。2つ目はリアルタイム遠隔視聴の挙動。買って試さないと判らないことですね。
1、録画番組の視聴
録画番組の視聴については、事前に録画し通勤途中にテスト。自宅を出る前にレコーダーは電源オフにしておいたのだが、アプリから(外部アクセス)要求あれば短時間に視聴可能に。また視聴中、3Gの電波が悪くなりタイムアウトしてしまったのだが、再度接続後も再生したところタイムアウトする寸前まで見てた場所から再開。さらに、映像は180P、360p、720pとレート変更が可能なのだが、視聴中にレートを変更しても再度冒頭に戻されると言ったこともなく見てた場所から再開。今回は180p→360p→180pとコロコロ切り替えても問題なかったし、逆にこれが出来るということは高速バスでの移動時、移動中は180pにしつつSAで休憩なんて時は、360pにレート上げたりとか、いろいろい使い分けができるので便利かも。(そんなことする?と言われそうですが。)
2、リアルタイム遠隔視聴。
普通に視聴できることの確認もしたかったけど、一番気になったのはタイムラグ。ということで片手にフルセグケータイで日テレ視聴し、もう片手にアプリが入ったXperiaで自宅のレコーダーに外部アクセスし日テレ視聴してみた。最初接続させた時のタイムラグは5〜10秒以内。途中xperiaの電波状態が悪くなり、再接続が発生した結果約30秒ほどラグが拡大。しかし、リアルタイム視聴でもラグ拡大時に足切りしないようなので見落とすことは無い模様。ただ言い方を変えると通信環境次第ではラグがどんどん拡大することにもなる。
■マニア向けから、万人向けへ。これからのライフスタイルが変わる商品
今回の商品仕様はかなり満足だし、やっとこれが万人向けになったことは大変嬉しいし、もっとたくさんの人に使って欲しいと感じている。余談だが今でこそ仕事は少し落ち着いたが、かれこれ10年近く7時半に家を出て電車に揺られ9時に出社。24時に仕事終えてまた電車に揺られ25時半頃に帰宅する生活を送っていた。家に帰りテレビをつけると深夜アニメが放映。気がつけばアニメ好きになってしまった訳だが、素直に放映時間帯まで起きて見ていては貴重な睡眠時間が削られてしまう・・・。気に入った番組は録画するものの結局見れる時は土日のみ。土日だってあちこち出かける。見られる時間が本当に少なかった。そこで目をつけたのが片道1時間半の通勤時間。ここで見られるようにしたいと思ったのは、もう5-6年近く前。
しかし当時NexTV-F規格みたいなモノもなく、すべて自分で構築するしかなかったので、自作PCをWebサーバー化し外部アクセスできるようにした上で、チューナーボードを取り付けて番組を自動録画。録画完了した番組はモバイル通信で見られるようにサイズに自動エンコード。そんな環境を構築しては電車の中で視聴していたのだけど、PCへの負荷も凄くて録画失敗する場合も多かったり、常時電源稼動させていたせいで電力代金もそこそこ掛かり。さらに熱もあって夏場は結構熱くなってしまうことも・・・・。正直、決して安定的な環境を作れていたとは言いがたい環境だった。
だから、新製品のソフトやハードが販売されれば購入していろいろ試してみた来たけど、何処かで商用製品のような安定性にはほど遠い部分や、結局PCでの録画に加えてHDDレコーダーでも録画していたので、二重投資を減らしたいという思いも。なのでHDDレコーダーにこの機能がが搭載されればなぁ・・・と常々思っていたので今回の発表は、念願叶った感じ。
まぁ長年遠隔視聴環境にチャレンジしてきた自分としては、これで一つの節目を迎えた訳だが、私のことはさておきこの機能が実現によって、多くの人にとって今までのテレビとの付き合い方が大きく変わると思っている。今までは、テレビの放映時間に我々が時間を合わせして見るスタイルだった。だから仕事で夜遅く帰ってきてテレビをつけても放映されているのは深夜アニメと芸人の番組ぐらい。私はアニメに寄ったけど、どちらもツマラナイと思った人は結局テレビ自体見なくなってしまった・・・というケースもあるかと思う。
でも、テレビで放映されるものすべてがツマラナイものではないと思っている。もちろんレベルが落ちたものもあるし、中には誘導するもの、偽りをした番組が増えたものも事実。でもドキュメンタリーとか役に立つものもある。だから、見られない時間の放映番組は録画していた人も多いと思うが、人の時間は有限。後ほど見ようとしても自宅で時間が確保できなければ、録り貯めたままで削除してしまう場合も。誰もが長時間仕事しているとは限らないけど、徐々に人のライフスタイルと決められた時間に放映されるスタイルにミスマッチが発生していたように思える。
しかし、今回の規格策定、対応商品投入によって録画番組・リアルタイム視聴含めもう見る場所を限定されることはない。自分の隙間時間にコンテンツを消費することが出来るので、良いコンテンツに触れる機会が増え、多少ミスマッチも解消されるかと思うし、あとは1週間全録機能が合体すれば、そもそも録画を気にしなくても、後からいつでも振り返ることができる。ここまで来れば、webで情報検索するような感覚をテレビ番組でも体験ができる。対応機はこれからだからまだまだ浸透するには時間がかかる。でも時間と共にテレビコンテンツの消費方法が変化してくることに期待。