アニメと言えば、子供がみるもので大人になればアニメから卒業
なんて時代もありましたが、2000年ぐらいから深夜帯での放映数が増加。
仕事多忙で夜遅くに帰宅してテレビつけたら深夜アニメが放映。ついつい
見続けてしまい気がつけばアニメヲタになっていた。。。なんて人も
そこそこ存在するぐらいアニメとのタッチポイントが増加。
気がつけば声優さんらがアイドルっぽく扱われてるし、(単に自爆し自ら地位低下
して言った側面もあるけど)歌だって有名どころがベスト版とかでセールス数
を稼いでいたりもするけど、それ省くと声優さんらのCDが売れていたりする現実。
(オリコンランキングとかで声優さんのCDが上位にランクされているなんて
後述する世代の一員としては嬉しいけど未だ違和感ありますし。)
とうとう声優さんのプロダクションだけでなく、ポリプロとかテレビ向け芸能人を
得意としていたプロダクションまでアニメ系に力を入れはじめ・・・と、長々と
書きましたがここ10-15年で随分アニメの位置は変わりつつあります。
(とは言え、幼児向け、子供向け、青年向け、大人向けと作品がタイミングよく
揃っていて、うまい具合にステップアップできる環境が整っていて自分も他人も
さして見ていることに気にならない現20代までに対して、微妙に一旦風習的に卒業を
させられた30代以降では、アニメを見ていることに対する他人からの評価は近年の
浸透率もあるけどまだ20代以下とは違っていて、30代とかになると過去のイメージも
あってあまり大きな声では言えないけどアニメは見ているような隠れヲタはたくさん
いるのではないかと思う)
政府もあれだけたくさん出てくるコンテンツを世界に売り出そうと「クールジャパン」
の名で強力PUSHしてますよね。
そりゃたくさん売れるなら海外輸出してお金ガッポリ稼いでもらって雇用増やして・・・と
思ったりするのですが、各社頑張って作品認知は上がっているものの収益までは
結びついていない。結局のところうまく行っていない現実もあったりします。
要因はいろいろあるようですが・・・・
簡単に言えば文化の違いで、日本の視聴者が求めている嗜好と諸外国が求めている
嗜好は同じではない。
(お互いの市場規模がマスならベストなんですが、ニッチなんですよね。)
日本の視聴者が高い額払って購入しているDVD/BD。あれのおかげもあって諸外国
では安い価格で販売されていたりするのですが売れていない現実。(ネット普及に
よる動画不正アップ(字幕付き)の存在が。どうしても日本と海外ではタイムラグが
出てしまうから余計に不正モノに走るとか)
とか。タイムラグあたりは各社埋めようと努力している面もありますが・・・・。
長すぎる前段ですね。ここからが本題。
そんな業界としていろいろ悩みが多い中で、一部の海外ヲタがアニメイベントを開く
とかではなく電通が積極的に出資してまで海外でイベントを展開する。啓蒙行為の
一環かもしれないけど、でもニーズがあるからやっているはず・・・。現地の方々は
どんな感じなんだろうなど、その温度感とか一度見てみたいな・・・と思い、今回
行ってみることにした。
■Anime Festival Asia 2013は何が出展されているのか?
少し脱線しますが、今回会場となったSUNTEC CONVENTION & EXHIBITION
CENTREは6月に行われる通信系展示会CommunicAsia & BroadcastAsiaの
展示会場にも用いられている有名な会場の1つ。
3階は主にセッション用途向け、4階、5階にそれぞれ大きな箱があります。
東京の展示会場施設でイメージするならビックサイトの東1・2ポールぐらいの
広さが2つあるぐらい。 とは言え、このイベントでは4階部分しか使っていな
いので、リードジャパンさん主催とかの中小規模イベントって感じでしょうかね。
で本題戻して、出展内容ですが展示ブースとライブステージがあって、展示ブース
はほぼ物販に寄ってます。
今回の出展メンバーだと、ライツ寄りなのはホリプロさん、アニマックスさん、
経産省が共催しているマンガフェスティバルぐらいで、それ以外はグットスマイル
カンパニー、ブシロードなどお馴染みの会社さんに、ラブライブ、まどかマギカ限定
の専門ショップ、それと現地のアニメ物販ショップ。そして端の一画には
コミケのような個人・団体出展と思われる方々のコーナー。それとメイド喫茶。
それぞれのブースで何かしらグッズ販売が。
売られている物販商材はあまり日本とのタイムラグはあまり感じなくて、むしろ
来年販売予定のフィギュアのお知らせがあったり、既に日本では完売になっている
商材が売られていて、それを買っている方がいたりと、よくある光景。
(テレビ放映とかは1-2タームぐらいは遅れるんでしょうけど)
むしろ作品の紹介がほとんど無かった感が。
正しくはホリプロさんがアーティスト紹介ビデオに出演作品のプロモが入ってい
たのと、ラブライブではライブ映像が流されていた、アニマックスさん・ANIPLUS HDさんで
放送予定の作品がプロモや等身大キャラクターのスタンドあったぐらいか。こういう場って
日本の作品を知ってもらうための場の側面もあると思うのですが、そこはあまり印象が残ら
ないぐらいアピールされていなかったです。
ここまで書いておいてなんですが、これらをイメージしてもらうとコミケのサークルブースと
商業ブースをビックサイトの東1ホールに濃縮させたと思うと、通いつめた方々には理解して
もらい易いかも。
また残念なのは、本来このエリアのユーザーに啓蒙していくべきこと=違法サイト視聴せず
正規版買って! についてはほとんど触れられていなかったこと。物販メインだから水を
差すようなことはしたくないのかもしれないしネットで繋がった今抗っても仕方がないと
思っているのか、はたまたそもそも日本のユーザーから製作コスト回収すべくDVD/BD単価
を高くしているぐらいだからそこは求めていないのかもしれないが、地道に啓蒙活動
していくべきだと思う。1人でもそういう意識を持ってもらわないと辛くなるだけだ
と思うけども・・・。
少し脱線してしまったが、展示エリアはこんな感じ。
そして壁を挟んだところに昼はイベントで、夜はライブで使用するステージ。
主催が提供するエリアとしてはこんな感じなのだが、通路にはコスプレイヤーさんが
いらっしゃって、それに群がるカメコさんがいたり、通路でブシロードのカードゲームを
しだす方々や座ってゲーム機でゲームする方々・・・。なんとなくアニメ好きな方々と
とりあえず集まり語る場にもなっているようです。
■物販の売れ行き、どんな奴が買っているのか?
いろいろなブースを何度もグルグル回ってみましたが、買っている方はたくさん
いましたね。この辺は日本と変わらなくてお目当ての品をゲットするために早くから
並んでいる方も多かった(とは言え日本と比べたら可愛いものかも)
この辺りを見ていると、アニメ作品のDVDやBDに対価を払ってくれるかの問題は
相変わらず残るものの、グッズ類はしっかり買ってくれるようです。
中華圏は日本以上にコンテンツの権利に疎い部分もありますので、不正対策のために
日本とタイムラグを減らす形でコンテンツを投入しつつ、長い時間をかけて啓蒙活動を
行いDVDなどを買わせるうに仕向けつつ、それまではグッズで生計を立てる・・・
そんな戦略で進めているのかもしれませんね。
ちなみに、買っている子達は来ている子達でもあるのですが主に10~20代までかな。
あまり30代とかはいないイメージ。そして早く来てお目当て品を買う子達は、何処か
ヲタだな・・・とわかる方々。(そりゃ当然ですね)
■コンテンツの嗜好性
この辺りは、冒頭にも軽く触れたけど日本で求められている嗜好性と他国で求められ
ている嗜好性は異なることはチョコチョコあって、例えばラブライブはステージイベント
で凄い熱気があったし、物販も大量に並ぶぐらいの人気と日本と変わらんよねって感じ。
(ちょうどシンガポールではテレビで放映開始したらしい)
ソードアートオンラインは、主にシンガポールや中華圏ではまどマギより人気があるらしく
作成の物語性とか多少嗜好の違いはあるみたい。
正直、萌えに寄せている傾向がある日本の作品群でも、萌えに振り切った系はこちらでは
あまり・・・という感じが。とは言え、来場者の中には「けいおん」のTシャツとかは来て
いた人もいたから、あの辺りはokなんでしょうね。
でも、あの花、たまゆらとかに関係するものは全く見なかったので、この辺は現状の
日本の地上波放送時に即録画し字幕付けて動画サイトに公開してしまうような輩がいる中で
それらしいものを見なかったということは彼らの琴線には触れていないってことなんだと思う・・・・。
(ちなみに、アイマスも少しだけありました。申し訳ない程度ですが・・・。
シンガポールではアイマスよりラブライブみたい。)
■最後に
今回このイベントに参加して思ったことは、海外にも日本アニメを好きと思う方は
たくさんいること。例年このイベントだけで7-8万人集客しているので、わさわざ
イベントに来るようなアーリーアダプターな人以外にも関心を持っている人はいるはず
なので、含めた市場としてはそこそこ成り立つんだろうと思う。
しかし、収益性の観点としては、まだまだかな?という感じもあり、今後の課題かなと。
(ある意味、レポートなどで報告されている課題の通りかな。)
作品もタダで作っている訳ではないから収益が得られる状況にする必要はあって
そのためにはコンテンツに対価を払う意識を持ってもらいことが必要なんだけど
この辺はもう諦めたのかもしれないけど地道にやるしかなく、それが無かったことは残念。
ただ、やられっぱなしにならず、せめて物販で稼ごうとしている点は評価できるかな。
少しでも金儲けできる要素なければ海外輸出なんて成立しませんしね。
※最後に小言を。
日本では禁止されている演者さんの写真撮影は、こちらはかなり寛大?
いや文化的に阻止できないのか、みんな撮り放題でしたね。写真は撮る人もいれば
動画でステージ録画する人も。日本じゃあれだけ禁止禁止言われているのに
こちらでは注意すらない。
正直こちらが戸惑いました。えっ?えっ?とね。なんだか不条理な感はしましたね。
まぁ、海外ファンにはこのぐらいはサービスとして良しとしているんでしょうけど
日本のファンだって演者さんの写真撮りたいとか想いは同じだと思いますよ。
とは言えせっかくのイベントで終始やられたら楽しめなくてゲンナリなので
現状維持で良いですが、新しい試みとしてメーカーの新製品発表会みたいに
3分間だけのフォトセッションとかやって欲しいよね。って思ってしまったの
はココだけの話。