音楽ストレージサービスにも利用許諾は必須

サービス自体は、すでに終わっているがあるサービスに対して、著作権上問題があるという見解が出された。
このサービスは、自分が持っているCDからケータイ用の着うたファイルを作成しネット上にあるオンラインストレージに保管。ケータイから好きなときにダウンロードして楽しむことができるものであった。現在、着うたを得る場合、必ずCP(コンテンツプロバイダー)で買うことになり視聴できる時間によって異なるが一曲あたり100円から300円徴収されている。しかし、すでにCD等を持っている人にとって、重複して権利を買うことになる。特に、i-Podなど携帯用ミュージックプレイヤーへそのままコピーしてしまっている点を考えてもこの仕組みはいささか違和感があり、このサービスを投入しようとした企業も、この違和感を払拭しようと検討した結果、当時において明確な規定がなかったことから、違法ではないということでスタートしたのだが、結論としてはスタートしてまもなくサービスを中止することに踏み切り、その一年後。すなわち今、やっと裁判で違法性があるという結論が正式に下れた。違法性がある理由として、オンラインストレージ上にファイルを置くことが問題ということだったが、実は数ヶ月前に、ある企業がこの結論を知っていたかのごとく回避したサービス「サウンドポータル」をリリースした。このサービスでは、基本的にやれることは変わらないが、ただ違うのはオンラインストレージ上にファイルを置くのではなく、自分のPCにケータイから遠隔ログインできるようにし、PCから着うたファイルをダウンロードする手法。どちらもインターネットにつながっているが、あくまで自分のPC上にあるファイルを落とすという点で違法の回避をしている。
サウンドポータル

なんとなく、イタチごっことなりそうなサービスであるが、PCとブロードバンド環境さえあれば手軽にできてしまう。また、すでに持っている楽曲を再び買う必要もなくなるし、洋楽などマイナーな曲でCPで売られてすらいない楽曲を使いたい人には、非常に調歩するサービスと思われる。一度使ってみてはいかが??
————————–
音楽ストレージサービスには音楽著作物の利用許諾必要~東京地裁
 東京地方裁判所は25日、携帯電話向けの音楽データのストレージ
サービス「」に対して、日本音楽著作権協会(JASRAC)が管理
する著作権(複製権および公衆送信権)に基づく差止請求権が及ぶとの
判断を出した。JASRACが同日、発表した。
 MYUTAは、会員ユーザーがPC内に保存した楽曲をインターネット上に
保存しておくことで、携帯電話からダウンロードして聴けるようにするサービス。
2005年11月にベータ版として無料でサービスを開始した。
 イメージシティ(当時コンピュータシティ)の親会社であるインフォコムが
発表した当時のニュースリリースによれば、会員のPCに発行するアクセスキー
と携帯電話固有のキーで紐付ける仕組みをとっており、「自分だけの(オンリーワン)
安全な(セイフティー)ボックスをインターネット上に持つことができる」。
この「オンリーワンセイフティーボックス機能」により、著作権法上で認められ
ている私的複製の領域内のサービスとして位置付けられると説明していた。
なお、楽曲のアップロードには、会員ユーザーに無償貸与する専用のアプリ
ケーションソフト「MUSIC UPLOADER」を利用する。
 JASRACでは、MYUTAの発表直後にイメージシティに話し合いを申し入れ
このサービスには複製権や公衆送信権などの権利が及び、著作物の利用
主体はイメージシティと認められるため、JASRACの許諾を得た上でサービス
を開始するよう確認を求めていたが、両社で合意には至らなかったという。
 これを受けてイメージシティは、法的にグレーな状況のままでサービスを
継続するわけにはいかないことから、2006年3月末にMYUTAのサービスを終了。
同年5月に、JASRACの差止請求権がMYUTAに及ばないことの確認を東京地裁
に求めて訴訟を起こしたが、今回、それが棄却された。
 イメージシティでは、複製や送信は会員ユーザー個人が行なっているもので
あり、著作権法第30条1項の私的複製に該当すると主張。しかし東京地裁では
イメージシティが貸与した専用アプリケーションソフトを用いて携帯電話用に変換
された音楽ファイルが同社の管理・所有するサーバーに蔵置され、そのサーバー
から各会員ユーザーの携帯電話に送信されていることなどから、複製および
公衆送信の主体は同社であると判断したという。
ソース元:http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/34710.html
———————–