行くなら一緒がおススメ。JAL工場見学(整備場見学)と安全啓発センター(御巣鷹山墜落事故資料展示)へ行ってきた

先ほど、日産自動車の工場見学について投稿したばかりだけど、今度は航空会社の工場見学について投稿。
実は、どちらも過去に行ったことがあるのだが、結構気に入っておりまして再び行ってみることにしました。
ちなみにANAも工場見学をやっています。過去に1度行きましたが、あちらは見学施設が少なく、なにより新整備場駅からすぐのJALに対して、10分程度歩かないといけないのもあるので、なにかとJALがおススメ。

■安全啓発センター(御巣鷹山墜落事故資料展示)
最初に行ってきたのは、安全啓発センター。こちらは1985年5月に発生した日航ジャンボ機の御巣鷹の尾根への墜落事故に関する遺品や資料を展示する施設で、主に社員への安全意識向上に向けた教育施設なのだが、事故の風化を避けるため、また様々な業界でも「安全」というのは必ず考え求められることから企業研修への活用等一般にも広く開放されている。

ここにはJAL123便。事故機(JA8119)の尾翼や圧力隔壁、椅子などの残骸、ボイスレコーダー・フライトレコーダー。さらには亡くなられた方のご親族からお借りしている遺品、遺書などもモノの展示に加え、事故の経緯等が詳細に展示されている。

実はここは旧施設(旧整備場)の時に1回。そして現在(新整備場)の施設に来てから2回ほど来ているが、毎回学ぶことが多い。残念ながら写真撮影等はできないのでお見せすることはできないが、非常にためになるので直接見に行ってほしい。

安全啓発センター(施設案内・申込が可能)

■JAL工場見学(整備場見学)

次に出向いたのはJALの工場見学。JALの今までの歴史が判る資料館見学と飛行機について学ぶ航空教室、そして整備施設の中が見学がセットになったもの。資料館はCAさんの歴代制服、コックピットの模型やシートの展示、それぞれのお仕事がどんなことしているのかが判る展示、そして各年代毎にどんな路線就航したか、時刻表等の販促品展示、CM展開。さらには皇室フライトに関する専用展示として陛下が座られた座席やどこに行った等が判る展示とかなり盛りだくさん。開始後20分の展示見学はあるけど、展示内容がもりだくさんで若干駆け足気味に。開始30分前には入場できるので先に見ておくことをおススメ。

航空教室は、子供向けな部分もあるけど大人も楽しめる内容で、こちらもおススメ。
そして整備施設見学では、改修中の機材を見たり、格納中の機材を写真撮影も可能。また施設から34L滑走路を着陸(もしくは離陸)する飛行機、整備施設前に駐機している機材を間近でみることが可能。こちらもおススメ。

残念ながら写真撮影はできるものの、公開は禁止となっているため載せられないが、私が行った時には特別塗装機である嵐jet(JA751J)が格納されており、掲載期間が終わったそうで嵐が剥がされていく場面を見ることができた(嵐塗装を間近くで見れたことも良かったが、それを剥がす場面に立ち会えたのは最高だった)、また春秋航空の整備委託も受けていたようで施設内で検査を受けている春秋機も拝めたことも良かった。

JAL工場見学~SKY MUSEUM~(案内・申込が可能)

■両方の見学を同日にする場合。

どちらもホームページから予約が可能。午前、午後それぞれにどちらかを入れる形で見学可能です。なお啓発センターは工場見学より1日あたりの見学定員が少ないため、啓発センター側の予約がベースになるかもしれません。また啓発センターは開始10分前から受付ですが、工場見学は前述の展示施設がある関係で30分前から受付可能です。こちらも間違わないように。

一人でも見学可能! 日産自動車追浜工場を見学してきた。

最近、工場見学が流行っているが土日は実施していないことが多く、会社勤めの人だとなかなか難しいことが多い。
自動車工場も平日しか見学できないのだが、こちらはさらに一定人数以上でないと受け付けてくれないケースもある。(ホンダやスバルなど)
そのため前々から行ってみたいと思っていたものの諦めていたのだが、調べてみると日産は1人からの見学も受け付けていることが判り、かつ日時は限定されるが特別コラボツアーとして工場内にあるテスト走行コースでクルマの試乗体験もできる面白い企画も実施されていたことから行ってみることにした。

今回、申し込んだのは【特別コラボツアー 追浜工場見学&NISSAN LEAF試乗・NISSAN GT-R同乗体験】というもの。
日産追浜工場 工場紹介&見学受付ページ(日産自動車のサイトへ)

通常は追浜工場見学として組立行程と完成車を日産専用埠頭で船に積み込むところを見学するのだが、このコラボツアーでは
ゲストホール見学、組立工程を見学(積み込み見学は省かれる)した後、追浜試験場GRANDRIVEへ行き、電気自動車のLEAFを試乗でき、さらにNISSAN GT-Rを同乗試乗ができる(運転はテストドライバー)構成になっている。

■工場見学
 工場には、プレス、塗装、組立など様々な工程があるが、ここで見学できるのは組立工程の一部(塗装後、ドアを外し、シートベル、インパネ、フロントガラスまでの部品を装着)、そして組立後の完成検査(ローラー上で100キロ出して動作確認等する)。残念ながら、工場内の写真撮影はできないため写真等は無いが、参考として日産自ら公開している工場工程紹介映像を見ていただければ。


追浜工場生産現場を取材(Nissan Newsroom)

工程自体は、他の自動車メーカーと同じように流れ作業で組み立てられていくことは同じなのだが、該当車種に取り付ける部品を載せた自動ロボットが該当製造車と並走しながら進んでいく場面はなかなか凄いなぁと。(製造台数分、ロボットがいてクルマと一緒に各工程を並走。その工程を終了したらロボットは自動で最初に戻る)

■追浜試験場GRANDRIVEでのテスト走行
こちらも写真撮影が出来ないため、日産さんが別日に実施したコラボ企画の紹介ページを公開しているので参考にどうぞ。

特別コラボ企画 “追浜工場見学&NISSAN LEAF試乗・NISSAN GT-R同乗体験”

テストコース全長約4キロ。直線から傾斜道、連続カーブ、路面が荒れてる、首都高の橋げたの継ぎ目(走行時ドタンと音がする)を再現したなど道などが4キロのコース内にあり、それらをリーフに乗って体験できる。テストコースと言えば、先日スバルのファンミーティングで行ってきたがあちらは高速走行から日常使用、オフロードなど様々なコースがあったが、この追浜工場は主に日常使用を想定したコースになっているとのこと。
そもそもテストコースを走れること自体は貴重絵だけど、直線では踏み込んで100キロまで出すなど、公道ではやり難いことも体験できることは嬉しい。またGT-Rの試乗はなかなか貴重。残念ながらスカイラインGT-Rは今は1000万円超えるお値段になってしまい、乗っている人も少ないため試乗機会が少ないし、直線コースでは踏み込んで時速180キロまで加速。40°のバンクを走行し、150キロぐらい加速した後フルブレーキを体験するなど、これまた公道ではなかなか体験できないものばかり。

と、約2.5時間ほどの見学と体験が終了。大満足でした。
機会があれば是非行ってみて欲しい。ちなみに日産は追浜以外に、同工場近くにあるエンジン製造工場の見学や湘南・栃木工場など見学できるようなので、こちらも是非。

三菱自動車の燃費不正について思うこと(JC08モード等の燃費測定方法を見直すべき)

三菱自動車プレスリリース
※三菱自動車プレスリリースより。

4/20に突如発表された「燃費試験における不正行為」
そもそも、自動車メーカーはクルマを開発し販売するためには事前に国交省に車種毎にどういう仕様なのか届出を行ない、国交省側で(ほぼ机上だけど)本当に国内の法規制に適合しているか確認するプロセスがある。このプロセスが問題なければ晴れて型式認証が取得でき、それによって販売が可能になる。これはケータイなどの通信でも似たような仕組みがある(JATE、TELEC)

この型式認証時には燃費試験データも提出することが求められており、その燃費試験はJC08モードという利用シーンを想定した走行方法でどの程度の燃費になるのか測定することになっている。

今回は、このJC08モードの試験方法が想定よりも悪かったようで、そのままではエコカー減税の非適用や他社の車種より見劣りすることから、5-10%程度試験データの値を良くしてしまった(=水増し)というのが経緯のようである。なお、ekワゴンやディズのJC08モード公称値を見ると装備内容によるが1リッターあたり26キロ~30キロ程度となっているので、本来は24-27キロ程度だったということが推察される。

ちなみに昨年、海外で問題になったフォルクスワーゲンのディーゼル車での排ガス規制逃れに続き不祥事で、自動車業界には激震。フォルクスワーゲンの場合は、規制値を満たしていない=公害撒き散らし、かつ出荷台数もそれなりにあったため影響度がデカく大きく問題になったが、三菱の場合は嘘をついたことは許されるものではないが、燃費結果を少し水増ししていただけで環境悪化等をさせている訳ではないので、(比較すべきではないが)まだ可愛いものかもしれない。(ちなみに燃費偽装では、2014年頃に韓国の現代自動車が燃費を水増し販売。後日発覚して制裁金等課せられた。この当時はウォン安だったこともあり日本車並みの性能を持ちながら価格お手頃と訴求し、それなりに売れていた。)
先ほど可愛いかもと言ったが、とは言えユーザーから見ればカタログ等で示されたJC08モード数値が悪くなるのだから騙された!!と言いたくなるだろう。ただ、そもそもJC08モードという試験測定方法自体が実態と乖離している状況なので、あまり実態への影響はさほどなく、ここを騒ぐよりもJC08モードそのものなどに疑問を呈したら?というのが正直なところ。(影響があるのは、エコカー減税だけ)

JC08モードの数値と実態に乖離がある話は、無頓着な方を除けばクルマ乗りなら誰しも知っていることだと思うが、カタログで1リッターで○○キロ走ると言われ買ったものの、いざ走ってみるとカタログで示された数値の30-40%程度低いなんてことも多いかと思う。特に燃費を売り文句にしている車種、ハイブリットカーなどでは結構な差が開いてしまうことが多い。また季節によって差が拡大したり、縮小したりもする。では、どんな試験をしているのだろうか?

JC08モード概略図(日本自動車工業会)
JC08モード概略図

まず上記を見てもらうと、JC08モードでも試験方法。20分という試験時間に、ストップアンドゴーを繰り返すようになっている。最初の10分ぐらいまでは比較的渋滞もない郊外を走行しているような感じだが、10分以降は渋滞にハマり停止している時間が多く、また終盤では高速でも走った?と言いたくなるような速度になっている。

これだけ見ると、大都市圏で通勤でマイカーを使っているような人には実態と違うと思うかもしれないが、郊外や地方都市ならそんなに違和感がないかもしれない。ただ、試験環境と条件で見てみると違和感が出てしまう。
ちなみに環境と条件は以下。

・試験環境
 ・シャーシダイナモ
 (ローラー上を走行するので、ハンドル操作はなし、上り坂・下り坂もないし、路面の違いもなし。当然試験環境は室内になるので気温も比較的暖かめ。)
 ダイナモメータ設備(日本自動車研究所)
シャーシダイナモ(日本自動車研究所)

・試験条件
 ・エアコン、カーナビなどは電源オフ。
 
 ざっくりこんな感じ。カーナビやエアコンだけでなくハンドル操作だって電気が必要なのでエンジンのパワーが必要になる=負担が掛かる訳だけど試験では無いし、坂道もない。路面だって補修によるベコボコなども無いから試験時は走行時の抵抗もない。これだけでも十分差が出てしまうけど、挙句試験に慣れたドライバーによる絶妙なアクセル加減も加わる。日常では流れに合わせる形で多少急な加速をすることもありますが、それもありません。これだけ一般的な使用とかけ離れている訳ですから、乖離することは当然だったりするのです。とは言えメーカーや車種によって乖離率にも開きがあるので、このあたりはテストドライバーだけの問題なのか、はたまた別の何かがあるかは謎ですが・・・。

少し戻りますが今回発表されたJC08モード(公称値)の不正はあってはならないことなのですが、そもそもJC08モードの試験方法をもっと現実に近づけるべく見直すべきでは?というのが本音だったりします。
国交省はこれを機にもっと厳密にして欲しいなと思います。

さて、2度目の失態を犯してしまった三菱はどうなるのでしょうか?
正直、ここから変わることは相当難しいかもしれません。お客様にソッポ向かれるという大前提もありますけど、そもそも今回燃費データの不正に至った背景には、前回の不祥事でお客様離れが進んだ結果、売上が低迷し研究開発費も満足に増やせない状況があったのかな?と思います。その一方で三菱を除く各社は燃費改善に向けた研究開発が進み、燃費改善を実施。結果として三菱と他社との差が開いてしまっただろうし、軽自動車への税制優遇見直しで減税適用から外れてしまう可能性が出てきたことで、ますますユーザーからソッポ向かれてしまう危機感もあったはず。どうにかせねばという想いが三菱にはあった筈ですが、現状ではどうにもならない・・・。結果としてやってはいけない不正に手を出してしまったんだと思います。

今後、立て直すとしても再び売上低迷するでしょうから、研究開発もさらに厳しくなると思います。また人材流出だってありえます。最終的にはどこかの自動車メーカーの支援を受けざる得ないかもしれません。ただそれが国内なのか海外なのかは不明ですが・・・・

東京証券取引所(東証Arrows)を見学しに行ってきた。

株式投資をしている人なら必ず利用する東証こと東京証券取引所。
取引所の光景はニュースやストックボイスを見ている方ならどんな場所なのかは判るかもしれないが、平日であれば実際に現地で見学することができるということで行ってみることにした。

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※東京証券取引所。茅場町か日本橋どちらかから行ける。
 
見学は少数であれば特別な予約不要で見学が可能。正面ではなく裏手(日本橋寄り)の見学者用入口に回り入館。入館時には手荷物検査を受けたのち、受付で見学の手続きを行なう。
まず最初に出向いたのが資料室。 ここには戦前の株式取引が始まった頃から現在までの歴史がまとめられており、その当時の株券や取引所でどんなことが行われていたのか、どんなツールを使っていたのか等様々な情報や機器が展示されている。これだけでも結構見応えがある。特に株券は見応え。日銀や倒産した山一證券の株券があったり、日本国国債の第一号や戦前の満州国の企業の株券ほかなかなか見応えがある。

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資料室を見てあと、2階に上がるとニュース等で見るマーケットセンターが直接見ることがてきる。
昔の取引所と言えば、たくさんの証券マンがいて独特な手の動きで買い、売りを指示し取引を行う光景が観れたのだが、現在はその光景は無くなり代わりに中枢のコンピューターが鎮座し、そこに数名の担当者がコンピューターを監視システムで取引している。近くにはマーケットが刻一刻と動いていることが判る画面があり値動きが判る訳だけど、それでも昔と比較してしまうと躍動感などは薄れてしまったかも。でも日本の株式売買マーケットが動いている場面を見れることはなかなか貴重。

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ちなみに、取引時間中であれば値動きが観れますし、(前場or後場の開始もしくは終了時間)に来るとオープニングorクロージングベルも見れるのでおススメ。

テレ朝で不謹慎狩りの特集を見て思ったこと(芸能人による被災者への寄付が非難された件)

不謹慎狩りとは、端的に言えばツイッターなどに投稿した呟きの内容について揚げ足取りを行なったもの。不謹慎狩り自体は以前からたくさんあるんだけど、今回話題になったのは、先日発生した熊本県地震での芸能人の行動について。たとえば、芸能人の紗栄子さんが500万円を寄付したことを振り込み書の写真を添えて投稿したことで、「振り込み書アップする必要ある?」「売名行為だ」と非難されたり、ダレノガレ明美さんが現地の人はネットが繋がらないから被災地情報を積極リツィートしたことに、リツィートだけでなく「自ら行動したら?」と非難され、トレンディーエンジェルがM-1優勝で副賞で貰ったカップラーメン10年分を被災地に寄付する手続きを進めていることに、「余りものよこすな」と非難された等があったらしい。
また最近はめっきり出てこなくなった井上晴美さんも熊本在住で住まい全壊と被災されてしまった訳だけど、その状況を呟いていたらこちらも「売名行為だ」と非難されたらしい。

番組では、東京や被災地での街頭インタビューなどを用いて、その呟きをすることを非難する報道がされていました。

正直、井上晴美さんのブログでの報告は特段文句言われることもないし、トレンディエンジェルがカップラーメンを寄付することに対する非難は、呟いた奴の単なる僻みなんだと思うし、ダレノガレ明美さんもテレビ映像(商品発表記者会見)で本件弁明している映像を見る限り、ちょっと使うことば間違っていたり、実情を理解できていない部分もありそうで???という部分もあるんだけど、まぁそこまでワーワー言わなくても・・・と思う。

ただ紗栄子さんの500万円寄付については、これはもうご本人の配慮が足りていないし、言われても仕方がないと言わざる得ない。誤解して欲しくないのは、寄付することは凄いこと。だって自分のためにならないことに500万寄付する訳ですよ。普通の人の平均年収が400万と言われている中で、1.2人分の金額を寄付する訳です。そりゃ凄いことですし賞賛されてしかるべきでもあります。

ただ、わざわざ振り込み書の画像アップする必要は無かったし、ぶっちゃけ金額も公表する必要はなかったと思う。せいぜい「寄付させていただきました」だけで良かったのだと思う。
(正直、言わなくてもよかったのではないか?とも思っている)

■賞賛されるべきが非難される背景

あの呟きを見た時、見る視点、立場によって評価印象はだいぶ変わります。被災地にいる人や熊本が出身地の方にとっては巨額の寄付に感謝されている方がほとんどだと思います。被災地と関係がない人でも寄付に対して立派と思う方も多いかと思いますが、ただ見方を変えると振り込み書の写真アップと金額を公表することに違和感を覚える方もいます。

写真アップは、寄付したという呟きに対して想定される突っ込みである「証拠見せろ」という一部の心無い人への対策かもしれません。金額については、ご本人としては本当に助けたいという想いがあり500万という巨額寄付されたのではないか。その上で自分が寄付したことを巨額の寄付を公表することで、ほかの人にも似たように寄付して欲しいと想ったのかもしれません。

ただ500万は、一般人なら大金です。でも、芸能人の場合、人気が出れば(一般人より)高額収入となり、(浪費しなければ)蓄財もしやすいです。一般的に人は生活水準を下げることはなかなかできないですし、常識的に自分の生活を困窮させてまで寄付する人はいませんから500万寄付しても、ぜいたくな生活が送り続けられるだけの蓄財を持っているということも読めてしまいます。

ご存じな方は多いと思いますが、日本の平均年収は年々下がっています。平均値は富裕層の年収に引っ張られので実態より高くなります。どこがボリュームゾーンなのかが判る中央値ではもっと下がります。実際雇用率は改善傾向とはいえ賃金は上がらず税、社会保障の負担は増えて自由に使える額は減りつつあります。実際日々の生活に追われネット見るのが唯一の楽しみなんて方もいらっしゃる訳です。二極化が進む中、そんな方々から見れば巨額寄付できるほどの生活水準への僻みなども出てくるでしょう。

特に紗栄子さんは人気芸能人のようなレギュラー番組に多数出演しているような方でもありませんから、今回の行動は突発的に見えて、話題作り、売名と思われやすいですし、現旦那さんは社長さんと裕福な状況ですので、諸々でネガティブに作用した可能性が高いです。(芸能人は一旦人気が陰り沈んでも、ちょっとした話題から再びブレイクすることもあり、それらを皆知っていますから連想しやすい)

たくさんの方に寄付して欲しいということであれば、別に金額等を出さなくても出来ることはあった訳ですから、やり方を間違えたなという気もします(ニュース見てもらうとわかりますが、ふるさと納税で熊本市に1億円近い寄付があったと報道されていますし、赤十字などももう少し時間が経つと金額を公表してくれます。”自分がいくら寄付した”ということを求めなければ、寄付金額をいくらになったかが判る方法は多数あるのです)

■どうすれば非難されないのか。

寄付という賞賛されることをしたにも関わらず、非難される・・・。理不尽に見えるかもしれませんが、そうなるならないにはポイントがあると思っています。ではどうすれば良かったのでしょうか?

直近の事例で行くと、今回の熊本大震災で、熊本出身のコロッケさんは、自ら被災地に出向き食事を振る舞ったそうです。ちなみにこれ特に非難されていません。そもそも知らない人も多かったかもしれません。また過去事例で行くと東日本大震災で話題にもなりましたが、人によって好き嫌いが激しい芸風を持つ江頭2:50さんは、震災後すぐさまトラック借り、トラックにたくさんの救援物資を積んで現地に向かい、被災地に物資を届けたら何もせず帰って行ったという話もありますが、その行動が賞賛されていたりします。これらの違いってなんなんでしょうか? 

表面的な共通点は、お金でなく現地に行ったですが、そこではなく自ら公表せずに淡々と行動をとったことだと思います。その行動を現地方々が見て感謝の念からの呟きがあったからこその評価に繋がってきたからだと思っています。

芸能人は芸で楽しませてお金をいただいている職種な訳ですが、芸含め自らをアピールし存在感を高める必要が求められます。故に本来は何か情報発信したり話題性を出すことが重要なんだと思いますが、震災などの状況においてはこのアピールが仕事に結びついているような雰囲気が垣間見れてしまうので、「売名行為だ」等の非難が出やすくなります。故に真逆の行動が求められたりします。(静かに行動すること)

実はこれ芸能人に限らず企業などでも同様なことが求められます。有名なのが自衛隊員の救援時には食料は自分たちで持参し決して被災地の食料は被災者のモノとして食べない。勧められても辞退されていますが、とある通信企業の被災地支援時にも同様な行動がとられています。(先日某テレビ局の方々はやっちゃって非難されていますが・・・・)

被災地は被災前までにあった物資が使えなくなるだけでなく、交通網・物流網が寸断され十分な物資が無い状態です。それらの復旧するためにはたくさんの人員も必要なので、その人たちが頑張るためにも食事等は当然必要です。ですが被災者だけでも不足している状態に支援者が加わってはさらに物資不足するだけで意味がありません。故に、必要な食糧や物資は持参しますし、支援先が供給不足気味等も考慮し、食べる時は見えないところで、さらに短時間で淡々と済むすなどが求められます。

羨ましがられるような状況を作らないようにすることで、疎まれる状況を作らないようにしている訳です。(自衛隊も国土を守るというお仕事をすることで国から給与を貰ってますし、通信会社だってサービス提供しお客様からお金貰うことで給与が支払われます。復旧に尽力してくれることに喜んでくださるとは思いますが、サービスとして対価をもらっている以上、やって当たり前的な側面もある訳です。完全な善意ではない)

今回の紗栄子さんが500万円を寄付も、寄付する行動は良いのですが、それをわざわざ公表する必要もなかったし、どうしても公表したいのであれば「寄付しました」等端的に言う程度で良かったのです。

■最後に

長々と書きましたが、非難されている事実だけ見れば、何をそこまで・・・と思いますが、背景まで考えていくと、そういわれても仕方ない側面があることも事実なのです。特に360度の視点からいろいろ評価されてしまう企業や芸能人などはそれこそ適切な対応をしないと自分の首を絞めかねないので注意が必要です。

余談:

極論かもしれませんが、今は極端な二極化が進みつつありますが、これがもし皆さん職種に関わらず収入変わらないぐらいの中産・裕福な階級なら、あまりワーワー言われなかったかもしれませんね。変な例えですが、仮にみんな裕福だったとして、とある家が連日、寿司や高級肉食べていてそれを自慢したとしても、別の家でも「うちも食べてるぞ」、別の家では「うちは肉より高級な魚だ」など、特段文句など言わず、逆に張り合うことができたのかもしれません。しかし明確な差があり、それを実現できない人にとっては、その自慢はだんだん嫌味に聞こえていくんだと思います。実際、昔だって貧富の差はありました。ただ今ほど極端ではなかったかもしれませんが・・・・。

そして、今はネットという顔が見えない形で人と繋がり、いろいろと言える時代です。昔のネットが無い時代でしたら、その自慢に対して頭の中で「また自慢かよ・・・。」とか思ったり、誰もいない時に「ちぇ、また自慢しやがって・・・」と言っていたことをネットで吐き出すことが出来るわけです。そしてその意見に共感する人も出てくる。その積み重ねが大きな力になることもあるのです。(その力が誰かを動かし、良くなる方向に進むことがある一方で、ネガティブな方向に作用してしまう場合もある。)

このあたりも踏まえた上で、適切な行動が求められるんだと思います。

いろいろ書きましたがここまで。